平成18年度第1回 静岡市男女共同参画専門相談委員会会議録
1 日時 平成18年8月17日(木) 午前10時〜11時
2 場所 静岡市役所静岡庁舎新館9階特別会議室
3 出席者 (委員)麻生絵美委員、荒巻郁雄委員、鍋倉伸子委員
(事務局)鈴木企画部長、山村男女共同参画課長、青島参事
兼女性会館長、大川統括主幹、松浦副主幹、稲葉主査、長谷川主査
4 議事
(1)「配偶者等からの暴力に関する調査報告」について
「配偶者等からの暴力に関する調査報告」について事務局松浦副主幹が説明を行う。
松浦副主幹 それでは、「配偶者等からの暴力に関する調査報告書」について、ご説明いたします。
お手元の報告書冊子をお願いいたします。
初めに、1ページ、調査の概要をお願いいたします。
1 本調査の目的ですが、静岡市における配偶者等による暴力の実態を明らかにし、今後の施策推進の参考とするために実施したものです。
3 調査の対象は、市内居住の18歳から65歳の男女およそ3000人を無作為抽出し、郵送により実施したものです。
回答数1,188件、有効回収率は39.5%でした。
めくって、2ページをお願いいたします。
回答の属性ですが、(1)回答者の男女比では、女性が60%となっています。
(2)居住区では、3区ほぼ均等、右ページ(3)年齢もほぼ各世代から構成されております。
冊子、7ページをお願いいたします。
調査の監修については、静岡県立大学国際関係学部である犬塚助教授にお願いしたところです。ご覧頂いております「調査結果の概要」として分析をして頂きましたので、以下、その分析の概略を冊子に沿ってご説明いたします。
冊子、26ページをお願いします。
「(2)配偶者等からの被害経験」ですが、ここでは、現在または過去において配偶者や恋人がいる人について、骨折、打ち身、なぐられるなど、合計15種類の具体的な被害経験をきいたものです。この区分については、国が実施する同様の調査を参考にしております。
調査結果は、暴力が「1、2度あった」と「何度もあった」の合計を、上段男性、下段女性にて記載しております。
身体的、物理的な被害についてみますと、
5番目の項番5「足でけられたり、平手で打たれた」は、男性では9.5%、女性では18.5%、
項番9「ドアをけったり、壁に物を投げつけたりして、おどされた」は、男性4.9%、女性では、20.2%の被害経験となっています。
ここで確認される点は、配偶者等の間で起こる暴力は、圧倒的に「男性から女性」に対してのものであるという事実です。
このことから、DV対策事業はあくまで「被害者としての女性、加害者としての男性」という構造を前提として実施されなければ実効性がない、ということがわかります。
次に34ページをお願いいたします。
こちらは、被害を受けた際のその相手がだれであったか、という問いです。
ご覧のとおり、圧倒的に夫婦関係が多い状況です。現在、県や市における行政の施策が夫婦という関係に重点化している点は概ね適切といえます。
さらには、恋人との間での暴力が12%を越えている点に注目する必要があります。
若い世代の恋人関係における暴力のことを、「デートDV」といいますが、将来の夫婦間でのDVを未然に防ぐためにも、20代以下の世代を対象にしたDV防止対策が必要であるといえます。
次に35ページをお願いします。
こちらは、受けた暴力等によって、被害を受けた方が命の危険を感じたかどうかを質問したものです。
図3-4の上段のとおり、暴力を受けた人のうち、命の危険を感じた男性は、3.3%、一方、女性はその4倍に相当する12.6%が命の危険を感じた、という状況となっています。
行政がDV対策において、「女性の保護」に力点を置いていることの適切さが裏付けられる結果となっています。
次に、被害を受けた後の相談先等についてみていきます。
46ページをお願いいたします。
この設問は、暴力を受けたことのある方に、その後相談をしたのか、その相談先をきいたものです。
相談した先の高い順から、グラフ右側の項番12「友人、知人」24.8%、その上、項番11「家族や親戚」16.8%、項番9「民生、児童委員」15.0%、グラフ左側の項番5「県」15.0%となっています。
項番14の「相談しなかった人」が49.2%もあり、さらに相談した方も、友人や家族といったインフォーマルな関係が多いことがわかります。
一方、県庁以外の国、県、市の公の機関への相談が軒並み低いことから、市民がDVについて理解を深める必要性や、相談窓口の周知が必要と考えられます。
次に、54ページをお願いいたします。
これまでは、被害経験についての設問でしたが、こちらは、配偶者等への加害経験をきいたものです。
加害経験が男性よりも女性が上回っているものは、項番6「物を投げつける」、
項番10「何を言っても長時間無視し続ける」、
項番11「交友関係や電話を細かく監視する」という3項目で、残りの12項目は全て男性の割合が上回っています。
次にその加害のきっかけについてみてみます。
63ページをお願いいたします。
暴力に至ったきっかけについての設問ですが、男女とも上位3項目は、同じとなっていますが、ここでは、性別による特徴がみてとれます。
項番3「相手がそうされても仕方のないようなことをした」という項目で、男性19.9%、女性35.4%と女性が15.5ポイント高くなっています。これは、女性の暴力には、男性側に主因があって、受動的な動機によって止むを得ない行為だったという傾向があるといえます。
逆に項番1「相手が自分のいうことを聞こうとしないので、行動でわからせようとした」では、男性30.7%、女性17.5%と男性が女性を13.2%上回っています。
男性の場合は、言語的コミュニケーションの限界を補完し、暴力を肯定的に位置付ける傾向があるとみることができます。
次に、65ページをお願いいたします。
図5-1は、DVに対する公的支援の必要性について、きいたものです。
必要性の多い順に、項番3「相談機関があることの周知・PRの充実」41.7%、
項番4「被害者が緊急時にある程度の機関、安全に過ごせる避難場所(シェルター)の確保」40.3%、
項番9「警察の、暴力へのより積極的な対応」31.2%、の順になっています。
これらの項目は、DV対策において不十分でかつニーズも高いといわれるものであり、結果はそれを裏付けるものとなっています。
67ページをお願いします。
子ども時代の暴力の経験についてみてみます。
図6-1-2は、18歳になるまでのあいだに、例示した4つの暴力について、経験があるかどうかをきいたものです。
特徴的なものは、項番1「父は母に暴力をふるっていた」14.6%、項番3「親からなぐるけるなどの暴行を受けた」12.1%です。
これらには、特徴的な年代があります。右ページの図6-2-1をご覧下さい。
「父は母に暴力をふるっていた」について、男性の年代別では、40代が「あてはまる」「どちらかというとあてはまる」の合計が20%と一番高くなっています。
72ページをご覧ください。
図6-2-5 「親からなぐる、けるなどの身体に対する暴行を受けた」年代別男性でも、40代が「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」の合計が17.5%で一番高くなっています。
この結果について、分析された犬塚先生は、現在の40代は、1950年代中ごろから1960年代中ごろ、つまり日本の高度経済成長期に生まれ成長した世代で、それは男性のサラリーマン化と女性の主婦化が同時進行した時代に該当しています。配偶者等における暴力を年代別に捉える場合には、こうした日本の歴史的な流れから考察するという見方があると、指摘されています。
76ページをお願いします。
このグラフは、父親から母親への暴力と自らの加害経験を男性についてクロス集計したものです。
上段の「父から母への暴力」があてはまる人についてみると、50%の人が自らも配偶者等への加害の経験を持っていることがわかります。しかし、4段目の「父から母への暴力」があてはまらない、つまり育った家庭の両親の間では暴力等がなかったという人については、加害の経験が33.5%と暴力があったとされる家庭に比べ16.5ポイント低くなっています。
こういった関係は「暴力の連鎖」と呼ばれるものです。
夫婦間の暴力については、今後もさらに分析と行政の施策が必要であるとされているところですが、DVが子どもの生育にも影響があるという点をご覧いただければ、その重要性をお分かり頂けることと思います。
調査報告に係る概要は、以上です。
この調査を受け、今後の施策への反映についてご説明いたします。
まず、来年度から着手する予定でおります次期男女共同参画行動計画策定において、今回の調査結果を反映させた施策を検討して参りたいと存じます。
次に、現在実施している事業への反映点ですが
調査結果から、暴力の被害を受けている人の相談先として、公的機関の利用が少ないことが判明いたしました。そのため、市民への啓発を目的に、本調査結果を一部反映したDVパンフレットを作成し、6月はじめから、各区役所の窓口や公民館、図書館等の各課にお願いし、市民向けに配付を始めたところです。本日、参考にDVパンフレットをお配りさせて頂きました。
また、市民向けに本調査のダイジェスト版を作成し、市政ふれあい講座等での利用を図りたいと考えております。
さらに、本報告については、被害にあった方へのケアにあたっている関係機関にもご提示し、本市の配偶者等における暴力に関する現状の共通認識として活用していきたいと考えております。
山村課長 なにかご質問ご意見等ありましたらお願いします。
荒巻委員 この調査はいつしましたか。
松浦副主幹 昨年6月に郵送法で行いました。
鍋倉委員 公的機関だけでなく家庭などもっと助けの必要なところにパンフがいくように考えて欲しいです。ダイジェスト版をふれあい講座を配布するということでしたが、その他には?
松浦副主幹 市が実施する講座等の資料や女性会館の利用団体に協力が得られれば講座等で配布をお願いしたいと考えています。
鍋倉委員 活動団体等に配って実態を知ってもらう必要があるのでは?
山村課長 昨年度、静岡女性の会、清水女性の会とDV防止キャンペーンや講演会を行いました。行政だけでなくいろいろな方と協力してすすめていきたいと考えています。DVは大きな社会問題となっていますが、市として客観的なデータが得られたので基礎資料として活用したい。また、行動計画の改定作業にも反映させていきたいと考えています。
荒巻委員 DVと児童虐待は表裏一体の問題であると考えるが連携はどのようにとっていますか。
青島館長 各区要保護児童連絡会に出席して、福祉事務所、警察、保健福祉センターと情報を共有しています。
荒巻委員 DVの事案もふくまれると思いますが。
青島委員 あります。児童虐待のケースを見ると、保護者に自身の幼少期の虐待経験がみられることがあります。
松浦副主幹 市役所の事務分掌について説明しますが、DV防止の啓発は男女共同参画課が行い、実際の一時保護や自立支援については福祉部でというように担当しています。
荒巻委員 DV家庭にはなかなか市の情報が届きにくい状況であると考えられるので救済機関についての情報を届けられるようにしたいです。本当に必要なところに情報が届かないのでは意味がないので。
鍋倉委員 最近あった調停のケースで、女性と男性でDVについての認識に差があることを感じました。男性は自分のしていることがDVであるということをなかなか意識していないという現状があり、一般的な啓発も重要であると考えています。
山村課長 関係機関が連携をとりながら、啓発、周知を行うことをはじめとして地道にすすめていかなければなりません。
荒巻委員 実際の救済活動をおこなっているのは福祉部なのですね。
松浦委員 はい
荒巻委員 福祉部から情報を得て、家庭環境やある程度のデータをもらって広報を行き渡らせるということをしたらどうでしょうか。
(2)平成17年度相談事業の報告について
静岡市情報公開条例第7条により非公開とした。
5 その他 傍聴人 なし