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第5回 論点整理

第5回 論点整理

 

「今後の普通教育の方向性について」

                                事 務 局

T 発言要旨  

 

【「中間まとめ」について】

 

発言要旨

対応の方向など

 

市全体の教育という視点で、特別支援教育などへの配慮、オープンな場で学べる場の創出も必要

「中間まとめ」で一般的に触れる。

「静岡市の人材育成」という言葉が、再三出てくるが、意味が今ひとつ不明確

「中間まとめ」に反映させる。

2について、今後、制度の改善や地域行政の変化を踏まえながら作り上げていく。

同上

このまちらしい教育、このまちの特性を踏まえた教育というものがある。

同上

駿河区、清水区、葵区に応じた特色化、差別化を図っていく。

同上

「将来の静岡市を担う人材」という意味と、「静岡市の人材育成」では意味が違う。(整理が必要)

同上

静岡市が育てる「県民」、静岡市が育てる「世界にはばたく人材」という発想も可能

同上

まちづくりに関する静岡の人材育成については議論してこなかった。4ぺージからの「新しい時代に求められる青少年の資質」や「高等学校教育改革の指針」、「人材育成の基本方針」を、人材育成の柱と考えればよい。

同上

「人材育成という広い視点から静岡市の教育を考える」(岡田)ということにしっかりフォーカスした上で、考えるべき。

まちづくり、静岡市の在り方、その中の一環として議論していくことで、静岡市の人材育成が明快になる。

同上

10

社会経済の変化について、非常にポジティブに捉えているが、一方で格差社会というネガティブな面もある。

地域に根ざして普通に暮らして社会を支える人々にも焦点をあてていく必要がある。その意味でキャリア教育は重要。

同上

11

市の教育基本構想を踏まえた小中学校教育の基盤を意識しつつ市立の高校の在り方を考えていくべき。

また、県立とは違う視点も大切。

同上

12

市立という意味での、小中学校と高校との一貫性を重視

同上

13

ダイナミズム、世界性といったことと同時に、地域観というか具体的な夢、人材育成の方向性が重要

同上

14

社会はダイナミックに動いている。中でも国際化、グローバリゼーションといった国際的な規範についていけるかといったことが求められる。

論点A

15

 

 

例えば、科学の知識を用いて、環境問題などさまざまなこと、自分たちの地域のことを生活者として意思決定できる、こうした判断力が求めれている。グローバル化、科学技術の発展は本当に予想をはるかに超えている。こうした時代への対応という視点は大切だ。

論点B

 

 

16

商業教育にも科学的な力が必要だ。

論点B

17

あらゆることが、従来とは違う力を身につけていく必要があるということを、もっと押さえていくべきだ。

この国際化の時代に、世界史未履修問題はショックだ。

「中間まとめ」で強調

18

普通教育に大きく関わるので、「科学リテラシー」というキーワードで議論していくのは有用

論点B

19

まちづくりの視点の中で、環境基本計画や国土利用、都市計画マスタープランでも、最終的に必ず住民参加が求められてくる。これからの時代には、これに耐えうる能力が必要

高校段階までに、地域の課題を自分の問題として捉え、生涯にわたって自分の地域は自分で守る視点で、必要なことを学び、理解し判断することが自分の責任だという意識を育んでいくことが重要

「中間まとめ」に反映させる。

20

地域性、住民参加などの視点を入れつつ、自分で決断していく能力を養うことなども、今後議論していきたい。

同上

21

高校3年間は部活動、学力増進と、忙しいだろうが、ここで培った理念、生きる姿勢は、後で開花する。

同上

 

【参考人発言要旨(意見に属する内容・質疑)静岡市立高等学校長】

 

・市立高校に赴任した第一印象は、8クラス編成の機動力、迫力だ。

・県は6学級以上を適正学級としているが、私見では7学級以上が必要

・生徒が多いと何をやるにもパワーがある。

・市立高校には特進クラスを設けているが、成績でよい生徒を集めているのではなく、希望者で、推薦に頼らず国公立を希望する生徒を集めている。

・決して、国公立合格者の数を稼ぐためではなく、あくまでも生徒の進路実現のためのもの

・本校の理念は、国際社会に貢献する人材を育成すること、これは、地域の担い手としても国際的な視野をもっている意味の人材のことを含む。

・生徒には、筋道を立てて自分の意見を言えるようになれと指導している。

・高等学校の目的は「中学校の教育の基礎の上に」ということが大切

・普通教育でもっとも弱いところは、キャリア教育。職業観の育成を目指したい。

・高大連携は、静岡大学人文学部とやっている。逆に中学校と連携する場面を増やしたい。諸外国の高校との交流ももっと推進したい。

・中国の生徒を受け入れたとき、彼らは非常に流暢な英語をしゃべることを感じた。

・平成元年から海外研修に20人連れて行っている。今後は、修学旅行を海外に切り替えていきたい。

・中高一貫のメリットは「ゆとり」と高校入試がないというストレスからの解放に尽きるのではないか。

・高校の学年ごとの学級数が少なくなるので、中学校部分を加えて学校全体では一定規模が確保されるが、活力には欠ける。

・中高一貫では、部活動の展開に大きなデメリットが生ずる。

・中学校から、他の高校に行ってしまう層も想定する必要がある。

・中高一貫でなくとも、高校が中学校での学習の在り方をもっと勉強し、その基礎の上に立つ学習を展開すれば効果は同じ。

 

 【協議】

 

発言要旨

関連論点等

22

 

市立高校は自主性を柱に置いているように感ずるが、高校教育において、自主の裏返しである「自己責任」をどう求めていくかは課題だ。

「中間まとめ」

 

23

 単位制や総合学科は自己責任のシステムだ。

同上

24

自主性を尊重しつつ、自己責任をとらない、生徒の自主性は尊重しながら責任は学校が取るようなデリケートさを感ずる。

同上

25

 一般的には、理数科の人気は停滞気味だが、文部科学省の「スーパー・サイエンス・ハイスクール」は、理数科の活性化に大いに力になった。

 受験のための教育ではなく、まさに科学リテラシーを高める教育が行われる。本当に理数が好きな子どもたちは喜んでいる。

B

26

 仮に理数科を設置するなら、予算をふんだんにつけて、25にあげたような、充実した科学教育を行うべきだ。

 課題を発見し、解決の手法を考え、チャレンジする、そうした総合的な力を養いたい。あわせて、プレゼンテーション能力も育成していくなど、今後の社会に必要な力を培うには良い。

B

27

 ひところ理数科は、理科数学に力を入れて、理系の大学進学を目指すという構図だったが、26のような意味での教育は、学校の特色化を推進する。

 近隣の静岡、静岡東、静岡城北等の普通高校との差別化という観点からも、一つの考え方だろう。

B

28

 こうした取り組みが、小中学校にまで広がっていくとすばらしい教育の構図が出来上がる。

B

29

 県内の英語科は廃止が進んでいる。全国的にもブームが去っており、今後の英語科運営は難しい。

 設置当時、英語力も進学の力も両方保障するというコンセプトがあった。しかし、本来の英語教育と大学進学とが結びつかないと捉えられているのが不人気の原因かとも思う。

 英語科を設置するとなると、どんな生徒を育てるのか明確な理念が必要だし、静岡城北の国際科との兼ね合いも考えていく必要がある。

A

30

 日本では、英語が国際語になっていること、その重要についての認識が低い。英語を学ぶことのメリットがもっと浸透しなければいけない。

A

31

 最近、工学部の志願者が激減しているそうだが、これは深刻だ。ものづくりに決定的に影響を与える。

 数学の力を持っていると、給料が平均1割高いということも言われる。そういう情報を高校生に与えていく必要がある。

B

32

 課題はたくさんあるが、これでは現場の先生の身が持たない。課題対応と教員配置のバランスが大切だ。

「中間まとめ」

33

 全国の商業高校では、新潟商業ではロシア語、福岡では韓国語、また中国語に力を入れているところもある。

A

34

 理数分野では、環境、サイエンスに力を入れていくという発想も可能だ。

B

35

 教員の負担を強い、これに頼るというのではなく、制度的に10年、20年継続していくことが可能であることが大切。このような中で、教員の新しい働くスタイルの提案も可能。

「中間まとめ」

36

 例えば、有能なリタイアした先生の活用など、特色化には色々方法がある。

 生徒にとっても、色々な人との交流が確保される。こうした出入りのある学校があってもいい。

同上

37

 子どもは、本来的に自然科学的なことに興味がある。そういうことを大事にしてやれる余地を作ることが重要。その前提として、受検対策ということではなく、もっと遠い将来を見据えて、子どもにどんな力をつけたいのかということを押さえていく必要がある。

 スーパー・サイエンス・ハイスクールで学ぶ子どもが科学の面白さを学んでいる姿、これはきっと将来生きて働く力になってくる。

B

38

 この議論を実現していくために、学科を設置するか、コースを設けるか、あるいは選択科目を充実させるか等いろいろ方法がある。

AB

39

 進路保障とは、大学進学を保障するということだけではない。将来、職業をもつ、そういった人材育成、キャリア教育も進路保障の重要な要素だ。

CDE

40

大学卒業生が何をしたいのかが見えない。自分のキャリアについてどういう方向性をもつのか、夢を持つのかがわからないまま就職している現実がある。こうしたことが離職につながっている。

CDE

41

 40の観点から、キャリア教育は極めて大事。

 小学校までたどってこの問題を考えていく必要がある。

CDE

42

 生徒の自主性を尊重していく場合、その手前のところで、なぜこれを学ぶのかということを確認していく必要がある。こうしたことは、家庭教育から始まり、小学校、中学校と積み上げていく必要があるが、とりわけ高校のウェイトは大きい。

CDE

43

 キャリア教育は大学でも大きな課題。本学ではキャリアサポートセンターが設置され、意識的に学生に呼びかけていく。

CDE

44

 今の学生は職業を持つとき、その仕事の意味を考えることなく就職というより、「就社」といった発想だ。

CDE

46

 少子化の中、子ども一人にかける教育費が増えていて、小学校から私学に入れて教育する場合も増えている。

 私学では、小学校から英語教育を行い、公立にない特色を出している。

A

47

 中国との関係が深まっている中、英語だけでなく中国語を取り入れるなどの試みも面白い。

A

48

 「中高一貫教育などは、入試がなくのびのび教育できる」(岡田)という発想で私学に進学させる親もいる。

F

49

少子化ですべて温室育ちというのでは子どもは育たない。

F

50

 中高一貫について参考人は批判的だったが、そんなにデメリットは感じない。特に6年間という異年齢集団でもまれる意義は大きい。

 ただ、高等部の規模を減らして中等部を作るとなると、指摘のとおりパワーが落ちる。やるなら規模を大きくやっていきたい。

F

51

国際化への対応として、英語をはじめとする外国語を学ぶのは大切だ。言葉を理解するということは、文化を受け入れる人間をつくるということだ。

「国際力」をつけるにはいろいろ方法があると思う。学校教育にどこまで求めていくかも課題だ。

 

A

52

 

 高校でのキャリア教育は最終段階だ。幼い頃から意図的に展開されるべきことだ。子どもは課題を投げかければ必ず考える。甘やかさないで、小さい頃から課題を投げかけていく必要がある

 幼少期、小学校、中学校と積み上げていくことが大切だ。高校だけで何とかするというのは困難だ。

 また、学校、教育委員会だけでなく、都市政策の課題として市長部局と連携して、プログラム化していくのもいい。

CDE

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

U 論点整理(議論の整理)

 

論点1

 静岡市立高校(全日制)の現状と総括的課題

 

高等学校の普通科は、大学等上級学校への進学を前提にしている場合が一般であるが、就職者が過半数を占める普通高校、職業に関する科目を履修できる普通高校もあり、又、進学先も短期大学や専修学校等多岐にわたっている場合もある。

このような中で、静岡市立高等学校(全日制)については、ほぼ全員が四年制大学への進学を目指しており、充実した進路指導の中、その実績を残している。

また、「文武両道」を標榜し、部活動等諸活動も活発に展開されている。

静岡学区(葵区、駿河区)には、静岡、静岡城北、静岡東、静岡西、静岡南及び本市が設置する静岡市立の6校の公立普通高校が存在する。

公立高校全体の学科配置に対する普通科の設置割合は、全国66.3%、静岡県64.1%となっている中で、静岡学区は61.3%となっており(平成18年度募集定員)、学科配置については、むしろ普通科の増加が課題である。

ただし、今後、静岡学区については大幅な生徒数の減少が見込まれており、学校の活力等の維持のために一定の規模が必要であることが指摘される中、将来的な規模の維持という課題も視野に入れておく必要がある。

また、生徒のニーズ、時代や社会のニーズに対応した多様で特色ある高等学校の設置が課題となっている中、普通科においても、特色ある教育の展開が課題である。この観点から、静岡市立高等学校においては、学区内の他の普通高校にはない特色豊かな教育を推進していくことが必要である。

その際、社会構造の大きな変化を前提に、生徒がこれからの社会生活の中で、自己実現を図るとともに、社会を支え、世界にはばたく人材の育成を期して推進されることを要する。

 

論点2

 国際化時代に対応した普通教育の方向性

 

 経済・社会の国際化が急速に進む中、これからの時代に生きる青少年は、国際社会で主体的に生きていく上で必要な能力・資質を身につけていかなければならない。

 自国の歴史・文化・伝統の理解を基盤としつつ、広い視野を持って異文化を理解し、真の国際人として育まれていくことが必要である。このような視点から、幅広く国際理解教育を展開していく学校の検討が選択肢となりうる。

また、国際的な理解と協調を図る上で必要な英語によるコミュニケーション能力の育成に重点を置いた学校の検討も必要である。

 さらに、今後の諸外国との交流の進展を踏まえ、中国語や韓国語等、英語以外の言語の習得を視野に入れた教育の可能性も考慮していく必要がある。

国際化時代に対応した教育は、制度の改革を待つまでもなく、全ての生徒に対して行っていくべきものであり、先ず、各教科指導のこの観点からの充実、 海外修学旅行の検討等、日常の教育活動の中で推進される必要がある。

       国際化に対応した学科としては、英語科や国際科を設置することも選択肢となりうる。ただし、県内の英語科については、廃科となったり、定員を充たさない等の現状があり、その原因等について見定める必要がある。

 また、静岡学区には、静岡城北高等学校が既に国際科を設置しており、その関係の中で、どのように差別化を図れるかが検討される必要がある。

 

論点3

 科学的リテラシーを養う高校の必要性

 

 資源の乏しい我が国にとって、先端科学技術を創造し、豊かなものづくりに資する人材の育成を図ることは極めて重要である。

 また、静岡県や静岡市は伝統的にものづくりを強みとしてきた伝統があり、本市の高等学校においても、これを支える科学的リテラシーの育成を図っていくことが必要である。

 さらに、「科学的なものの考え方」は社会科学・人文系統においても重要であり、また科学技術の発展が市民生活の中に浸透していることなどに鑑み、全ての生徒に科学的・論理的思考力の育成が図られることが重要である。

 

*「科学的リテラシー」

自然界や人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定するために、科学的知識を使用して課題を明確にし、証拠に基づく結論を導き出す能力(文部科学省)

 

 OECD(経済協力開発機構)等が実施した学力に関する国際比較調査の結果によれば、「理科が好き」、「将来、科学を使う仕事がしたい」とする児童生徒の割合が、国際的に最低レベルであることが明らかになっている。

こうした状況の中で、文部科学省では、平成14年度から「科学技術・理科大好きプラン」として、科学技術・理科教育の充実のための諸施策を推進している。

 高校関係では、「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」として、科学技術・理科、数学教育を重点的に取り組む高校を指定し、高校と大学の接続の在り方について大学と連携した研究や理科・数学に重点を置いたカリキュラム開発の研究を推進している。

 児童生徒の科学に対する意識に照らせば、これまでの教育の中に科学の面白さを実感させる努力が欠けていたのではないかということを振り返る必要がある。今後は、科学の魅力、神秘、ダイナミズムを直接体験する機会を増やす等の工夫の中で、科学の面白さを伝える教育の実践が期待される。

 

高等学校の理数科は、理数科目を重点的に学習し、難関理数大学への進学に有利な指導を行うというイメージが先行してきたが、時代の移り変わりの中で、かつてほど理数科が人気を集めていないとの指摘もある。

 一方、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている理数科設置校等においては、科学的リテラシーの育成を主眼とし、生徒の科学に対する知的好奇心を喚起し、将来の我が国を支える科学技術教育が実践されているとの評価もある。

 このような中で、科学的リテラシーの育成を実践する教育の展開を前提に、理数科の設置が選択肢になりうる。

 科学的素養の育成は、将来の先端科学技術者の育成だけのために行われるものではなく、現代に生きる人々全てに必要な素養であり、こうした教育の実践は理数科の設置に先立って実践されるべき課題である。

 したがって、観察・実験、問題解決型学習などの一層の導入を図りつつ、科学の面白さを分からせる教育課程、指導法の工夫が図られる必要がある。

 基礎的な科学的リテラシーの習得を前提に、環境問題等現代社会における諸問題について発展的に学ぶ科学教育の可能性についても考察していく必要がある

 

論点4

 キャリア教育が求められる背景

 

 いわゆるニートやフリーターと呼ばれる若者の増加が社会現象と認識されるに至っている現状、確かな将来設計もないまま早期に離職する者の増加等、学

校から職業への移行・接続の課題が深刻になっている。

 こうした現状の原因について、一般的には、先ず、経済社会の構造的変化、雇用環境の変化の中で、青少年が将来の社会人・職業人としての生き方を描いていくことを困難にしていることが挙げられる。

 次に、青少年の、「働くことへの関心、意欲、態度、目的意識、責任感、職業観の未熟さ、さらには、コミュニケーション能力や対人関係能力、基本的マナー等の低下」が指摘されている。

 また、身体的な早熟傾向に比べて、青少年の精神的・社会的自立が遅れていること、さらに、高学歴社会の中で、職業の選択・決定を先送りにする「モラトリアム傾向」についての指摘もあり、進路意識・目的意識が希薄なままに進学・就職する青少年の増加も顕著になっていることなどがこの問題の背景を形成している。

 

論点5

 キャリア教育の基本方向

 

 「キャリア」の意味については、多義的に使用されるが、ここでは、「個々人が生涯にわたって遂行する様々な立場や役割の連鎖及びその過程における自己と働くこととの関係付けや価値付けの累積」としてとらえる。

キャリア教育とは「児童生徒一人一人のキャリア発達を支援し、それぞれにふさわしいキャリアを形成していくために必要な意欲・態度や能力を育てる教育」とされ、端的に言えば「児童生徒一人一人の勤労観、職業観を育てる教育」と言いうる。

ニート、フリーター、早期離職等の要因は、多岐にわたるものであり、キャリア教育の在り方についても、次の基本方向を確認し、総合的に展開していく必要がある。

先ず、キャリア教育が必要とされるのは、現代の青少年が社会生活、職業生活との不適合が認められることを出発点としており、このことが、一人一人の自己実現を妨げ、社会全体の活力を奪うことになるという基本的認識を持つことが必要である。

次に、キャリア教育は、一人一人の「意欲、態度、能力」を育んでいくことを本質とし、社会との関わりの中で、感性、知力等の総合的成長・発達を期すべきものであることが確認されなければならない。

また、キャリアの形成は、一人一人の成長・発達や諸経験が総合的に関わってくることを十分に踏まえていく必要がある。

 

上記の基本方向を踏まえ、特に次の点に留意しつつキャリア教育の推進を図っていくことが重要である。

○ 教科指導、特別活動等学校の教育活動全体をとおして推進すべきこと。

○ 家庭や地域社会、行政、企業、NPO等と学校教育が十分に連携を図っていくべきこと。

○ 幼児期から小中学校、高等学校と連携の中で、発達段階を踏まえた教育が総合的に展開されるべきこと。

○ キャリア発達は、究極的には個の発達であり、その在り方は一人一人異なることから、個別の指導・援助の視点を意識すること。

 

論点6

高校におけるキャリア教育の具体的課題

     

市立の3高等学校では、従来から充実した進路指導が実施されており、進学、就職のいわゆる「出口指導」について大きな成果を収めてきている。

 一方で、「生きること」や「働くこと」と疎遠になる傾向があったのではないか、社会人・職業人としての基礎的資質・能力を身につけるための取組が不十分ではなかったか、又、自らの生き方の探求、主体的な進路決定への取組が十分に機能してこなかったのではないかということを振り返る必要がある。

 また、キャリア発達が、個の発達過程であることを踏まえ、家庭教育、地域社会等における教育と十分な連携を図りつつ、これを組織化し、総合的な見地から推進することが必要である。

 

 高等学校にとって、生徒の進路先を保障する進路指導は大きな課題であるが、

「進路保障」の意義は、進学先、就職先の決定に関する具体的支援で完結するものではなく、将来、社会人として自己実現を図っていく基盤づくりという視点に立脚し、キャリア教育を「生涯学習」として捉え、高等学校はその基礎を育む責務を負うものと捉えていくべきである。

 

 高校においてキャリア教育を具体的に展開していく上では、「これからの青少年に必要な新しい学力・知力」については、生徒のキャリア発達の基盤としての学力・知力と認められるところから、教育活動全体の中で、こうした学力・知力の発達を期し、その一層の充実を図っていくことが必要である。

 その際、キャリア発達の個別性を踏まえ、学校のキャリアガイダンス機能の充実を図り、ガイダンスに当たる教員の資質の向上、校外の専門家の協力を得ていくことが重要である。

 また、キャリア形成は、生涯学習の一環として継続性を有することから、小・中学校や大学、企業等との連携を図り、さらに、市長部局や企業団体、NPOと協力し、青少年のキャリア教育に関するプログラムの形成を目指していくことが求められる。

 

論点7

中高一貫教育についての評価・基本的姿勢

     

 中高一貫教育については、平成11年度に制度化され、徐々に公立における設置数が増加してきている段階であり、評価が定まっていない。

一般的には、高校入試がないことによる豊かな教育の可能性、6年間の異年齢集団の交わりによる豊かな感性の育成等のメリットが指摘される一方、高校入試がないことによる意欲の継続の難しさ、長期にわたって固定化された人間関係の難しさ等のデメリットも指摘される。

 また、先行事例では、主に併設型の場合、既存の高校部分の学級減を図り、減じた学級数を中学校に充てるという手法が取られることが多く、このことが1学年の規模を縮小し、学校の活力に影響を与える等の意見もある。

 

      具体的な設置可能性については、今後、全国の先行事例の成果等を見極めつつ、県の配置計画も踏まえた上で、考察する必要があり、静岡市立への導入可能性の検討は、今後の課題とする。

 

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