平成17年度 第2回 静岡市市民自治推進審議会 会議録
1 開催日時 平成17年11月30日(水)午後3時〜午後5時
2 開催場所 静岡市役所 静岡庁舎9階 特別会議室
3 出席者 【委員】
小野寺委員、木村委員、坂野委員、佐野委員、祖父江委員、田中委員、日詰委員、前山委員、森委員、守屋委員
【市側】
(事務局)
熱川総務課長、加藤行政改革推進室長、野田主査、鈴木主査
(市民参画推進条例庁内プロジェクトチーム)
望月主査、深澤副主幹、五島副主幹、宮城島主査、吉井副主幹、古荘主査
4 開 会 事務局長(熱川総務課長)
5 議 事
日詰会長 では、さっそく議事に入ります。
議事(1)「市政への参画の形態」について事務局より説明をお願いします。
事務局(加藤) 議事説明(議事1)
日詰会長 市民参画を推進するという内容の条例を制定してゆく中で、今の説明の中にありました4つのキーワード(「まちづくり」、「市政」、「協働」、「市民参画」)の認識が重要なものになると考えられますが、この内容についてご意見はありますか。
佐野委員 資料においては、市民参画の定義に市民の姿勢としての表現に「主体的」という用語を使っていますが、自治基本条例では、協働やまちづくりに関する規定においては、自主的という用語を使っています。この点については、意図するところがあるのですか。
事務局(加藤) 特にありません。現段階では、仮の定義として例示しているだけです。用語の整理については、審議の過程で行っていきたいと考えています。
木村委員 資料に従来の事業として「ごみ拾い」ということを表記していますが、そのような事業はしているのですか。
事務局(野田) 参加と参画との相違を示す具体例としてイメージのしやすさという観点から例示したものであり、実際には個々の施策の中で行われているものであります。例えば、アドプトプログラム事業の一環として河川、道路の清掃活動などが挙げられます。
坂野委員 市民参画推進条例では、主に狭義の協働について規定し、総則部分において広義の協働まで踏み込んで規定してゆくという認識でよいのでしょうか。また、市民活動推進条例との関係はどのようなものになるのですか。
佐野委員 広義の協働への市の関与としては、財政的支援などの方法になるのですか。
事務局(加藤) 現段階では、市民参画推進条例の総則部分では、広義の協働についても規定することを想定しており、具体的な施策やルールについては、市民活動推進条例が規定するものとして考えています。この点については、市民活動推進条例の担当課である市民生活課からも説明いたします。
宮城島主査 市民活動推進条例に関する第1回目の会合(部会)は、12月2日になり、具体的には市民活動推進協議会での審議によることになりますが、現段階では市民参画推進条例の制定作業の過程を踏まえた上で市民活動推進条例の制定作業を行ってまいりたいと考えています。
坂野委員 そうすると、市民参画推進条例の下に市民活動推進条例が位置付けられるということでよいのですか。
事務局(加藤) 現段階でのイメージとしては、それでよいと思います。
前山委員 この条例の総則に規定すべき事項はどのようなものになるのですか。
事務局(加藤) 前回諮問しました条例の骨格としての諮問案にありますように総則には条例の目的、用語の定義、市民参画に関する基本理念・基本原則、行政機関・市民の責務などを規定すべきではないかと考えています。そこで原則・理念的な部分において、広義の協働についても規定すべきではないかという方向で検討してまいりました。
日詰会長 行政が気づいてない領域で新しい公共を築いている活動はあるのかもしれません。その点では、市民活動が先行している領域であり、行政がその活動に着目することで行政の領域に引き込むことも今後想定されるところであります。その意味では狭義の協働と広義の協働の境界はあいまいになってくることが考えられます。そこで、この条例の総則部分において、これらをカバーすることも必要となってくるのではないでしょうか。
田中委員 資料の図にもあるように市民活動(公益活動)と私的・営利的活動の境界は概念的に明確に区別する必要も考えられますが、この点についてどのように考えていますか。
事務局(加藤) 市民が生活していく中で主要な部分である私的分野への関与は当然避けなければなりません。しかし、明確に線を引くことは現実的には難しいのではないでしょうか。ただし、この条例を制定していく上では、明確に概念的区分をした上での議論が必要になるものと考えます。
日詰会長 この辺の概念については、できるだけ早く共通の認識となるようにしたいと思います。今後の議論の中で確立していく必要があります。
それでは、議事(2)「市民参画推進条例の規定する範囲」について事務局より説明をお願いします。
事務局(加藤) 事務局説明(議事2)
日詰会長 自治基本条例との関係や市政への参画権の保障に対する考え方の説明がありましたが、これらについてご意見はありますか。
佐野委員 市政への参画権について新しい人権との関係で説明がありましたが、より具体的に説明願います。
事務局(野田) 市政への参画権の保障の仕方や程度を検討する上で議論する余地があるのではという観点で敢えて記載しました。一概に権利といえども憲法上若しくはそれを補完する意味で存する権利と理念的、教示的な権利とではやはり権利保障規定を検討する上では、その区分は必要になるものと考えられるためです。自治基本条例の本市での最高規範としての位置づけから、市政への参画権を前者として捉える必要性はあるけれども、それにしても憲法論から生じる人権論からすると条例上での権利の創設にはそれを容認する見解と否定的な見解が存在するという事実があるということです。
事務局(加藤) 補完する説明としては、市政への参画権を「知る権利」や「プライバシー権」など憲法上若しくはそれを補完する意味での相当の普遍性があるものとして確立されつつある権利と同等なものとして位置付けるには諸説の見解があるということです。
前山委員 市政への参画権の保障に関して行政の裁量を制限するという観点からはそれをMUST(義務規定)かMAY(努力規定)かのどちらの趣旨で規定していくのですか。
事務局(加藤) 規定の程度については、今後議論していただきます。どのような内容のものを市民参画の対象とし、どのように制度保障していくかは今後の論点になるものと思われます。
日詰会長 最近は行政手続法でも行政の透明化に関する事項も規定されていますので、市民参画の推進の観点からも行政の裁量の制限に対するルール化は必要になるものと考えられます。
森委員 この条例では、立案、実施、評価の各段階ごとの参画権の保障を規定するのですか。
事務局(加藤) どの段階でどのような参画の方法があるのかを含めて参画権の保障に関しては議論していただきたいと思います。
守屋委員 事業などのチェック体制はどこに含まれるのですか。
事務局(加藤) 評価の段階に含まれ、この段階での議論の場で検討されることになります。
守屋委員 男女共同推進に関する基本計画や条例作りに参加したことがありますが、これほど市民参画について議論はされなかったと思います。非常に意義があることと思います。
日詰会長 他に意見等はありますか。
――― 意見なし ―――
それでは、議事(3)「他市の条例の検証」について事務局より説明をお願いします。
事務局(加藤) 事務局説明(議事3)
日詰会長 ただ今の事務局の説明による他市の条例や市民活動推進条例との関係についてご意見はありますか。
祖父江委員 3つの他市の条例が資料としてありましたが、静岡市としては狭義の協働と広義の協働の両方を規定していく考えなのですか。
事務局(野田) 本市では自治基本条例との関係において条例を制定していかなければなりません。立案、実施、評価の各段階への参画について規定することになりますので、一概に他市との整合性は必要となりませんが、今までの説明にもありますように狭義、広義の協働についての規定の仕方は今後の議論によることになります。自治基本条例として位置づけられる条例のない他市の条例より、本市のように自治基本条例により市政の3つの段階への参画のあり方を規定しなければならない環境ではより踏み込んだ議論が必要になるものと考えられます。
坂野委員 今までの説明の中で市政の3つの段階のうち実施の段階への参画だけが重要視されているような気がしますがその点はどのように理解すればよいのですか。
事務局(加藤) 市政の各段階への参画に対する重要度は対等なものとして捉えています。ただ、資料では用語や概念の共通認識をする上でイメージしやすいように表現を加えているところもありますので誤解が生じるところもあるかもしれませんが、考え方は、実施段階のみを重要視しているわけではありません。
坂野委員 市政の各段階への参画を規定するならば、市民参画推進条例と市民活動推進条例の担う役割を明確にすべきではないでしょうか。その意味では市の方でそれを明確にした方がよいのではないでしょうか。
田中委員 自治基本条例の制定過程の議論においては、議論などを伴うものを参画とし、協働には作業を伴うものとして両者を区分したような経緯があり、その意味では実施、評価の段階において協働という意味が強くなり、立案の段階においては参画という意味が強くなるものと捉えてきたような記憶があります。今後においても自治基本条例との関係を踏まえた上での議論が必要になるものと思います。
坂野委員 市政を各段階に区切った上でのバランスの欠いた規定より、3つの段階を一連の流れとして捉えた方がよいとは思いますが。
日詰会長 静岡市では、自治基本条例、市民参画推進条例、市民活動推進条例の3つの条例で手厚く市民参画、協働を規定するスタンスをとっています。また、1つの条例の中に多くの要素を詰め込むと概念的なものをより複雑にしてしまうケースもあるかもしれません。協働と参画の関係においては、もう少し細かいところまでケアーしていく必要もあります。これらの点につきましては、今後の検討課題としていきたいと思います。
前山委員 鹿児島市の条例にある市民会議のような制度は、この条例に取り入れていく方向なのですか。
事務局(加藤) 諮問案にもありますように、個別手法についての検討は今後の審議の対象となるものと考えています。
小野寺委員 自治基本条例第11条によると市民参画をすることにより協働というものが実現されるという形態が読み取れるので、まず市民参画があり、次の段階に協働があるという考え方ができるのではないでしょうか。また、協働や市民参画という概念は変化していく可能性もあるので、条例の施行後も見直しをする必要性があるのではないでしょうか。
事務局(野田) 市政との協働という概念は、各段階での市民参画によって実現されるものであり、段階ごとに区分されるべきものではありません。自治基本条例により、市政との協働については、各段階での参画という、従来より踏み込んだ市政と市民とのかかわり方を示しそれを保障することで実現されるべきものと解釈することができるので、その意味では、協働という大きな概念を様々な形態の参画が構成しているという構図になるのではないでしょうか。
日詰会長 協働を広く捉えすぎると参画との境界が見えにくくなる可能性も生じます。協働というものが、どのような目的のために設けられるのかという所に目を向けていけばその辺ははっきりしてくるのではないでしょうか。一般的には、課題を解決するために同じ土俵に上がり、その解決を図ることが協働の概念として捉えられていますが、参画との関係も、線引きすることで意味を明確にすることが必要であると考えられます。また、これをしないと議論をしていく中で混乱することが予想されます。
木村委員 先程、協働=作業的なことという意見がでましたが、この認識でよいのでしょうか。
田中委員 先程、協働=作業的なことと言いましたが、それは例えばの話であり、協働というのは様々な形態が考えられるものであります。それ故に各段階におけるウエイトやバランスに差異が生じるものであり、その点が協働を捉える上で難しいところではないのでしょうか。
前山委員 参画というのは権利であり、それを具体化するのが協働として捉えることもできるのではないでしょうか。
日詰会長 その点についても、明確にある概念ではないため、今後においてこれらの点については議論していきたいと思います。
その他、これまでの議事以外のことでもよいので、ご意見はありますか。
守屋委員 自治基本条例でも「執行機関」という用語を使っていますが、一般的に市民は「執行部」という形で認識しているのではないでしょうか。今後、タウンミーティングなどで市民に条例について説明する際には、できるだけ分かりやすい表現でいていただきたいと思います。
事務局(加藤) 条例上の規定においては、法令用語を使わなければなりませんが、市民に説明していく中では、できるだけ分かりやすい表現を用いていくつもりです。
木村委員 最近の風潮としては、民営化すれば市民サービスの向上が図れると安易に考えられていますが、これは必ずしも是とされるべきものではなく、むしろ市民サービスの低下の危険性もあるのではないでしょうか。
事務局(加藤) 当然、民営化ありきではなく市民サービスの向上という観点から議論されるべきものと考えております。
田中委員 資料に市民ニーズに対応する効果として「質の高いサービス」と挙げているが、必ずしも質の高さに繋がっているかどうかの証明はできないので「幅の広いサービス」と表現を変えた方がよいのではないでしょうか。
小野寺委員 狭義・広義の協働の概念の使いわけも含め、市民参画や新しい公共空間における協働関係の整理など、用語の使いわけを明確にして分かりやすい条例にできたらと思います。
日詰会長 他にご意見はありますか。
――― 意見等なし ―――
本日の議論を踏まえ、以降の審議につなげていきたいと思います。それでは長い時間ありがとうございました。議事の方はこれで終了します。
6 閉 会 事務局長(熱川総務課長)
※ 傍聴人 報道機関1社