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最終更新日:
2019年2月21日
 平成31年度当初予算案、ならびにこれに関連する議案の審議をお願いするにあたり、議員各位をはじめ、広く市民の皆さんのご理解を賜りたく私の施政方針を申し上げます。

はじめに

 昨年5月、静岡市長として初めて、米国のニューヨーク国連本部で開催された「SDGs推進会議」に招聘され、スピーチをする機会に恵まれました。
 その中で私は、国際連合が加盟各国の地方政府に期待することと、静岡市民が静岡市役所に期待することの両立を目指す「世界に輝く静岡」の まちづくりの取組を語り、日本を代表する政令指定都市の一つである静岡市の存在を大いにアピールしました。その成果として、昨年7月に行われた「ハイレベル政治フォーラム」への招待状も届き、続いて渡米した美濃部副市長によるスピーチの結果、本市はアジア地域の諸都市の中で 唯一、「Local 2030 Hub」いわゆる「SDGsハブ都市」に選ばれました。
 平成31年度は、「第3次静岡市総合計画(3次総)」の後期4年間のスタートの年です。前期4年間にも増して、複眼思考、即ち“鳥の眼”をもって、地球規模で本市のあるべき都市の姿を見定めつつ、“虫の眼”をもって、葵・駿河・清水の3区、78の連合自治組織の諸課題を見据え、「市民それぞれが輝き、自分らしい人生を謳歌できる、世界に輝く静岡にする」との初心を肝に銘じ、市政を牽引したいと決意を新たにしています。

3次総×5大構想×SDGs=「世界に輝く静岡」

 一昨年、昨年の2年間をかけて、私は「タウンミーティング」「まちづくりセッション」と題した市民対話集会を、市内19か所で開催しました。
 局長・区長をはじめ多くの職員と共に、市民の皆さんの発言に耳を傾ける一方、本市が2022年を目指して取り組む「3次総」、その中の最優先政策群である「5大構想」、そして国連が2030年を目指して取り組む「SDGs」の掛け合わせを通じて実現に近づけようとする「世界に輝く静岡」の都市 ビジョンについて、説明を重ねてきました。各会場では、市民の皆さんが抱く未来の静岡市に対する希望や期待や不安、現状への温かい評価や厳しい批判など様々な声に接し、それらを政策推進への発奮力としてきました。
 この4年間、「世界に輝く静岡」の実現に向けて、ひたすら種を蒔いてきました。中には、芽を出し始めた政策もあります。今後4年間を通じて、さらにその芽を伸ばし、花を咲かせ、市民の皆さんに「世界に輝く静岡」のまちづくりの成果を感じていただき、本市に暮らす、そして本市を訪れる皆さんの、納得感と安心感と満足感を高めていかなければなりません。
 そこで、平成31年度は、「5大構想」をさらに力強く推進します。
 まず、≪歴史文化の拠点づくり≫については、駿府城跡天守台の発掘 調査の成果である豊臣時代の天守の遺構や金箔瓦の発見を起爆剤にして、例えば、遺構の上に橋を架けた見学通路による野外展示の検討を進めるなど、2021年秋に向けて旧青葉小学校跡地に整備する歴史文化施設との相乗効果を狙い、集客機能を強化していきます。
 次に、≪海洋文化の拠点づくり≫については、清水港開港120周年の 記念の年を迎える本年を契機に、取組のスピードを上げていきます。その中心施設として2020年代前半に整備する海洋文化施設「(仮称)海洋・地球に関する総合ミュージアム」の建設用地の取得をするとともに、  清水のまちづくりと防災の拠点ともなる新しい清水庁舎の整備を推進します。
 さらに、≪「健康長寿のまち」の推進≫については、生涯活躍のまち 静岡(CCRC)の一環として、昨年、地域福祉共生センター「みなくる」と、再開発ビル「札の辻クロス」内の有料老人ホームがオープンしました。 来年度は、全国初の「(仮称)認知症予防センター」の整備を視野に入れ研究を進めていくほか、「口腔保健支援センター」を新設します。
 そして、≪教育文化の拠点づくり≫と≪「まちは劇場」の推進≫についても、「SDGs」の指標の組込みと「5大構想」全体の相乗効果により各取組を 加速させ、市民の皆さんに対して「世界に輝く静岡」の見える化を図ります。
 平成が終わりを告げ、新しい時代が幕を開けようとする本年は、人心 一新の大きな節目となるでしょう。本市も、「3次総」後期4年間の  始まりの年として、ポスト平成時代へ向けて、市民の皆さんの希望や期待に応えるべく、より一層、ワールドクラスのまちづくりを推し進めていきます。

「世界に輝く静岡」に向けた予算編成の考え方

 さて、私が当初予算案を編成するにあたり、最も念頭に置いたのは、いかに多くの市民の皆さんに、本市経済の活性化を実感していただくかということでした。即ち「本市がまず、基盤整備をはじめとする公共投資を行い、これを呼び水として民間投資を喚起して雇用や賑わいを創出し、交流人口・定住人口の拡大をもたらし人口活力の維持につなげ、経済活性化の好循環を図る」という基本的考え方の下で、予算案を仕上げてきました。
 一方、市長就任以来8年の間、行財政改革を確実に進めた結果、この間の行革効果額は、総額で257億円に上りました。さらに、これまで投資の水準を抑制してきたことによって、市債残高は通常債ベースで400億円余りの減少となるなど、目下のところ、健全な財政状態を維持しています。
 そこで、平成31年度は、投資的経費について前年度を上回る400億円を超える額を確保し、一般会計としては過去最大の予算案を編成することとしました。

予算の内訳は、

一般会計において 3,180億円、
特別会計において 2,295億  980万円、
企業会計において   749億9,300万円、
全会計で     6,225億  280万円  です。

 幸いにして、国全体の経済の基調も、緩やかな景気回復が続いており、その期間は6年2か月と、戦後最長を記録しています。実際、過去最高 水準の企業収益は景気回復を促し、雇用や所得環境の改善が個人消費を支える状況が見られてきているなど、経済の好循環が実現しつつあります。
 本市においても、個人所得や法人収益の増加などにより、約41億円の市税収入の増加が見込まれるなど、景気の回復を実感しうる明るい兆しが見えており、この好機を地域経済の活性化に向けて、最大限に活かしていかなければなりません。
 そこで、当初予算案では重点プロジェクトとして、交流人口の拡大ならびに中小企業の振興や農業の活性化など「産業・経済の振興」に向けた取組を拡充する一方、感染症予防や医療費助成拡大など子ども・子育て支援の充実ならびに自然災害から市民を守るための災害対応力の強化など「安心・ 安全の確保」に資する取組に対しても、必要な予算額を確保しました。
 その上で「世界に輝く静岡」の実現に向けて、最重要課題である  「5大構想」に位置付けられる諸事業に予算を手厚く配分しつつ、「第3次行財政改革推進大綱」や「アセットマネジメント基本方針」に基づく取組も、確実に予算に反映させています。
 引き続き、市民の豊かな生活をしっかり下支えし、世界を意識した都市経営と、財政規律を堅持した持続可能な行政運営の両立を図っていきます。

平成31年度の主要事業について

 次に、「5大構想」の礎となる「3次総」の主要事業のうち、新規ならびに拡充する取組について、10の政策分野別に説明申し上げます。

(分野別政策1 観光・交流)

 一つ目は、<観光・交流>分野についてです。
 本市が誇る地域資源を磨き上げるとともに、いつもの日常を劇場へと変える≪「まちは劇場」の推進≫により、世界中から人々が訪れるまちを目指します。
 駿府城公園周辺では来年度、いよいよ歴史文化施設の建設が始まります。
昨年は、豊臣秀吉公による天守台の遺構出現という平成の大発見があり ました。この新たな遺構や東御門・巽櫓、坤櫓を併せ、一体となった野外展示「フィールドミュージアム」として見せる工夫を検討していきます。
 また、本年、生誕500年を迎える本市ゆかりの戦国武将、今川義元公が残した功績の真の価値を市内外に広く発信する「今川義元公生誕500年祭事業」を、官民連携の下で展開していきます。
 清水港周辺ではこの夏、「海フェスタしずおか」を開催し、年間を通じて「開港120周年記念事業」を展開するほか、年々その数を増していく大型クルーズ客船の寄港に合わせ、観光客の回遊を促す取組にも力を入れます。
 また、この秋には、日本平などを舞台に「夜景サミット」を開催し、 これをチャンスに、日本平山頂から望む360°の絶景を全国に発信します。
 一方、新興津地区では、「(仮称)新興津ビーチパーク」の実現に向け、まずはその一部となる、海づり公園施設の工事を進めていきます。
 「三保松原文化創造センター」のオープンを来月に控えた世界文化遺産三保松原では、白砂青松の美しい風景を未来に継承するべく、松原の保全・再生を担う組織を、官民連携で新たに設立し、長期的な視野に立ち、  松枯れ対策や育苗に取り組んでいきます。
 二峠六宿を擁する東海道歴史街道については、先週末に盛会裏に幕を 閉じた「全国街道交流会議第12回全国大会『しずおか大会』」の成果を受け、しずおか中部連携中枢都市圏を構成する5市2町と連携し、今なお東西 交通の要衝であり続ける東海道を、新たな街道観光ブランドに育てるべく、地域連携DMOするが企画観光局の協力も得て、観光プログラムを創出します。
 また、この春から、国内最大級の大型観光企画「静岡デスティネーション キャンペーン」が始まります。本市では、市内観光施設などと共に、  新たな観光商品の企画・催行を通じて全国から誘客を図っていきます。
 ≪「まちは劇場」の推進≫については、“ON STAGE SHIZUOKA”の新しいシンボルマークの下、一年を通じてフェスティバルが楽しめるまち・静岡市を世界に向けて発信し、文化・クリエイティブ産業振興センター(CCC)にパフォーミングアーツに精通したコーディネーターを新たに配置します。

(分野別政策2 農林水産)

 二つ目は、<農林水産>分野についてです。
 農林水産業が有する公益的機能の維持に積極的に取り組むとともに、 南アルプスから駿河湾までの豊かで多彩な地域資源を活かし、「オクシズ」と「しずまえ」ブランドのさらなる価値向上を図ります。
 まず、農地の基盤整備と後継者の育成についてです。
 現在の農業を取り巻く課題として、農家の皆さんの高齢化や、これに伴う担い手確保の問題などがあります。そこで、優良農地の創出により生産性を 向上させ、新規就農者の確保にもつなげていくため、県やJAなど関係 機関との連携の下、新たな畑総事業の採択に向けた支援や、小規模基盤 整備に対する支援を行い、農業の持続可能性を高めていきます。また、 実践的な農業研修を実施する地域受入連絡会を支援するため、「静岡市がんばる新農業人支援事業」を新設し、後継者の育成・確保を図っていきます。
 一方、市の組織体制強化として、新たに局長級の「農林水産統括監」を配置し、農林水産業関係者の声を聴き、きめ細かく対応しながら、本市の 農林水産業を取り巻く諸課題の解決を図っていきます。
 次に、「オクシズ」についてです。
 茶やわさび、木材など本市の農林業を支えるとともに、豊かな自然  環境と水源涵養機能を備えるオクシズ地域の活力を維持・向上させるため、旧安倍6村において、ATMなど住民の日常生活に必要な機能・サービスの確保などを通じて、地域の賑わい拠点を創っていきます。
 世界農業遺産にも登録された「静岡水わさびの伝統栽培」については、わさび生産者と共にプロモーションを展開するほか、わさび栽培発祥の 地とされる有東木地区に観光トイレを設置することで、増加する来訪者をより快適にお迎えします。
 さらに、お茶摘み体験や茶(ちゃ)工場(こうば)見学、お茶の飲み比べなど、産地での  コト消費・モノ消費を推進していくため、受入れ調整機能を持つ「お茶 ツーリズムコンシェルジュ」を設置し、国内外からの誘客を図ります。
 また、来年度から制度化される森林環境譲与税を新たな財源とし、  所有者が管理できていない森林の整備や、オクシズ材の都市部での利用 促進を図り、森林の持つ公益的機能を維持していきます。
 次に、「しずまえ」についてです。
 昨年は、本市が誇るオンリーワンの資源、桜えびが記録的不漁に見舞われました。そこで、資源量回復に向けて関係機関と連携しつつ、持続的かつ効率的な操業を目指し、漁業関係者に寄り添い支援していきます。
 一方で、「しずまえ」の市民認知度は、PR活動が奏功し50%を超えるまでになっています。今後は、中部横断自動車道の開通を追い風に、特に山梨県に向けて、本市の豊かな魚食文化を発信していきます。

(分野別政策3 商工・物流)

 三つ目は、<商工・物流>分野についてです。
 中部横断自動車道の中央自動車道までの開通や、東名新スマートインターチェンジの完成も間もなくです。物流基盤が整いつつある今、地域の  中小企業を支えつつ、新時代を切り拓く「しごと」を呼び込みます。
 まず、中部横断道の太平洋の玄関口となる清水港後背地エリアでは、 新たな賑わいと活気の創出を目的とした調査を実施するとともに、物流 拠点としての本市の優位性の高まりを、官民連携してPRしていきます。
 さらに、海洋産業クラスター構築に向けては、8件に上る事業化研究 プロジェクトの推進と併せ、完成した商品を国際展示会に出展するなど、販売促進に資する支援を行います。
 次に、東名新インターチェンジ周辺の駿河区大谷・小鹿周辺エリアでは、何よりもまず、新インターの一日も早い開設に向けて工事を進めます。 並行して、東名北側の恩田原・片山地区においては、企業立地のための 基盤整備を進め産業集積を図り、雇用の創出につなげていきます。それに続く南側の宮川・水上地区においては、食・スポーツを中心としたまち づくりのグランドデザインの実現に向けて、検討を継続していきます。
 次に、本市の産業を支える中小企業については、新たに制定する「静岡市中小企業・小規模企業振興条例」に、市をはじめとする関係者の役割や基本的施策などをしっかりと位置づけた上で、その持続的な発展に向けて様々な取組を展開していきます。
 また、地域未来投資促進法に基づく「地域基本計画」により、本市の 経済を牽引する企業に対して、事業拡大や設備投資の支援を行うとともに、そのような企業が市街化調整区域に立地するための基準を整備します。
 企業に対する支援とともに、地元就職などを促す取組にも力を入れます。特に、首都圏への人口流出が顕著な若年層に対しては、10代からの働き 掛けが重要となってきます。そこで、高校生を対象に、キャリア形成の 支援プログラムの実施や、地元企業の紹介冊子「静岡で働こう。2019」の配付などを、静岡商工会議所と連携して行います。これにより、魅力ある地元企業を早くから知り、関心を高めてもらい、将来の地元就職・Uターン就職を促していきます。
また、働く女性の活躍を応援する「しずおか女子きらっ☆プロジェクト」では、首都圏の女性に向け、本市の企業や先輩女性に関する情報を発信するほか、M字カーブの解消に向け、就業継続のための環境整備などにより 女性の雇用・登用促進を図り、男女共同参画社会の実現を目指していきます。
 このほか、働き方改革を進めるため、ロールモデルとなる企業の取組の発信や、全国に先駆け官民連携で始めたプレミアムフライデーをさらに 推し進め、「仕事と自分らしさの両立ができるまち」の実現を目指します。

(分野別政策4 文化・スポーツ)

 次に、<文化・スポーツ>分野についてです。
 スポーツや音楽ライブ、舞台芸術など、観る者に感動を与えるパフォーマンスの数々は、私たちの生活をより豊かなものとし、まち全体の活力を高めてくれます。まちづくりに主体的に参加し、地域に貢献しようとする多種多様な市民活動もまた、まちに活力を与えてくれます。
 アジア初開催となる「ラグビーワールドカップ2019」が(にせんじゅうきゅう)、9月にエコパスタジアムを含む全国12の会場で開催されます。本市は、イタリア代表の 公認チームキャンプ地として、県との連携の下、万全の体制でチームを迎え 入れ、大会期間中は、駿府城公園に設置される「ファンゾーン」で、本市の  文化や観光などの魅力を広く発信し、地域の活性化につなげていきます。
 東静岡地区の「アート&スポーツ/ヒロバ」は、ローラースポーツファンはもちろん、世界を舞台に活躍する選手からも高い評価を得て、好評を博しています。引き続き、国際大会の誘致や、芝生広場での屋外 アートイベントの開催に向けて、官民連携して取り組んでいきます。
 一方、開館以来、数々のコンサートやミュージカルなどが開かれてきた市民文化会館については、ホール機能のさらなる充実を図り、まちなかの求心力を高める文化創造拠点とするべく、再整備の検討を進めていきます。
 スポーツや音楽は、人々を魅了し、人々の心を一つにします。その新たな舞台として、多目的に活用できるアリーナの整備についても検討していきます。ここでは、プロ・スポーツの興行や大型音楽ライブの会場として、“選ばれ、 稼げる”施設を目指し、事業者のヒアリングも採り入れながら、民設民営も  視野に入れた整備手法や適地などを、幅広い可能性の中から探っていきます。
 地域に貢献しようとするシチズンシップに富んだ人づくりも、本市が 誇るべき大切な文化といえます。「まちづくりは人づくり」という創立 理念に基づいて、一昨年度に開校した「静岡シチズンカレッジ こ・こ・に」では、その修了生が、自治会・町内会、市民活動団体、審議会委員など、様々な「場」で活動し、その成果が着実に現れてきています。そこで、新たに来年度から、地域の重要な人材である高校生へのアプローチとして、「プレ課程『高校生まちづくりスクール』」を開設するほか、専門課程に「地域コース」を新設し、生涯学習センターを拠点とする「生涯学習  センター地域人材育成講座」として展開していきます。
 こうした人材育成の拠点となる施設の改修なども、順次進めていきます。
 まず、飯田生涯学習交流館については、児童館との複合施設として、2020年度中の供用開始を目指して整備します。さらに、辻生涯学習交流館の耐震補強、玉川生涯学習交流館の大規模改修を行うほか、折戸生涯学習交流館の耐震補強や、船越生涯学習交流館の建替えに向けて、設計・調査業務に着手します。

(分野別政策5 子ども・教育)

 次に、<子ども・教育>分野についてです。
 尊い子どもの命が失われた千葉県野田市の児童虐待事件には、大きな衝撃とともに深い悲しみと強い憤りを覚えました。改めて市民の皆さん、とりわけ子どもたちの安心と安全を守るため、本市では、妊娠・出産期から乳幼児期、そして青年期まで、子どもとその親に切れ目のない支援の手を差し伸べ、誰もが心から安心して暮らせるまちを目指すとの思いを新たにしています。
 まず、子ども医療費については、その助成対象を高校生世代まで拡大し、子どもが無事に成人を迎えるまで、安心して子育てできる環境を整えます。
 乳幼児期では、教育・保育の待機児童ゼロの継続を目指すほか、私立 幼稚園・保育所のエアコン整備に対する補助により、環境の充実を図ります。
 学童期では、放課後児童クラブを13クラブ、475人分を新たに確保し、2020年度当初の待機児童の解消、小1の壁の打破を目指すとともに、全クラブの開所時間を午後7時まで延長します。さらに、放課後子ども教室を32校に新設、全76校で実施し、子育て支援の環境強化に努めていきます。
 一方、困難を有する子どもに対する支援については、発達が気になる子への継続的な支援の見通しを立てる「あそびのひろば」、そこから専門的な 機関の支援につなげる「ぱすてるひろば」を倍増し、市内全6か所で実施することで、早期発見・早期支援体制を充実させます。また、家庭的な 養育の推進が求められる中、里親制度の周知・啓発や里親への支援体制を強化することで、里親委託率50%の達成を目指します。さらに、スクールソーシャルワーカーによる支援を、就学前から中学校卒業後まで行います。
 学校教育では、何よりも子どもたちの安心・安全を最優先する考えの下、まずは全小学校の普通教室へのエアコンを、当初の想定よりも前倒しして本年中に設置し、長年の懸案を一気呵成に解消します。同時に、トイレリフレッシュ事業を進め、教育環境を継続的に改善していきます。
 また、教育内容の面では、しずおか学と英語を核とした小中一貫教育を進め、地域に誇りを持ち、世界で活躍していける子どもを育てます。加えて、2020年度の新学習指導要領を見据え、論理的思考力などを高めるため、学校図書館へのアドバイス体制を構築するなど、全市で読書指導 水準を向上させ、次の時代に重視される学力を先取りしていきます。  このほか、部活動改革、日本一おいしい学校給食、中山間地の遠隔教育 システムの確立など、先進的な取組を引き続き推進していきます。
 さらに、子どもの困難に寄り添った教育体制の整備として、新たに通級指導教室や幼児言語教室を増設するとともに、不登校の子どもの家庭と、学校や支援機関をつなぐ訪問教育相談員制度を創設します。
 高等教育のあり方については、引き続き有識者や市内大学など関係者の意見に耳を傾けながら、これまでの議論をさらに深めていきます。

(分野別政策6 都市・交通)

 次に、<都市・交通>分野についてです。
 「5大構想」に掲げる3つの拠点としての静岡都心、清水都心、そして草薙・東静岡副都心のまちづくりを一層推し進めるとともに、新時代に対応した公共交通や、市民の皆さんの憩いの場となる公園の整備を進めます。
 まず、歴史文化拠点としての静岡都心では、新静岡セノバ付近から中堀につながる市道追手町音羽町線に、水辺デッキと一体となった広場や歩道を 整備し、お堀周辺の魅力を高めます。また、歴史文化施設の隣接地への民間施設の誘致や北街道線の再整備に向けて、引き続き検討を重ねます。さらに、御幸町9番・伝馬町4番地区の再開発事業により、静岡駅から新静岡駅まで新たな人の流れを生み出し、賑わいと憩いの場を創造します。
 次に、海洋文化拠点としての清水都心では、「清水みなとまちづくり公民連携協議会」にて、20年先の地域の姿を見据えたグランドデザインを策定します。このうち日の出地区では、海洋文化施設の2020年代前半の開館に向け、用地を取得し、運営事業者を決めていきます。また、江尻地区でも、新清水庁舎の施工・運営事業者の選定を進めます。そして、日の出地区と江尻地区とを結ぶ清水港線跡自転車歩行者専用道を整備し、ウォーターフロントからまちなかまで、歩いて楽しめるエリアにしていきます。
 さらに、教育文化拠点としての草薙・東静岡副都心では、2030年のエリアの姿を見据え、新たなグランドデザインの策定に着手します。特に、JR草薙駅ではこの春、駅前広場が完成を迎えます。今後は、安全で 快適な交通環境を実現するため、国道横断方策の具体化に向けた取組を 進めるとともに、産学官民の連携の下、公共空間の利活用を含む様々な 活動を支援し、多くの若者や地域住民で賑わうまちの実現を目指します。
 これら3つの拠点や地域を結ぶ公共交通については、出発地から目的地 までの様々な移動手段を切れ目なく結び、一つの交通サービスとして提供する、いわゆる「MaaS(マース)(Mobility as a Service)」の環境構築を目指し、国や民間事業者との連携により、ICTを活用した新たな交通システムの 導入に向けた検討を進めていきます。
 次に、公園についてです。日本平夢テラスで賑わいを見せる名勝・ 日本平では、アクセス道路や山頂駐車場、周辺遊歩道を整備します。また、麻機遊水地地区では、あさはた緑地を体験型親水公園として整備します。このほか、蒲原地区の富士川緑地や地域の街区公園などの整備も継続して行う一方、新たな試みとして、カフェなどを公園に設置するパークPFIの活用も検討していきます。
 自転車については、昨年スタートした静岡市自転車サポーター制度をさらに充実し、ハード、ソフト、マインドの三側面から、官民連携して「世界水準の自転車都市しずおか」の実現に向けて加速していきます。

(分野別政策7 社会基盤)

 次に、<社会基盤>分野についてです。
 「5大構想」をはじめとする「3次総」の政策・施策を推進する礎には、 強靭な社会基盤の支えが欠かせません。経済活動や安心・安全で快適な 市民生活を支える道路、上下水道などを、計画的に整備・維持していきます。
 まず、道路についてです。国道1号静(せい)清(しん)バイパス全線4車線化に続き、今後、中部横断道の開通、新東名高速道路の6車線化、静清バイパス清水立体事業など、広域道路ネットワークの強化が進みます。そこで、これらの道路と市内各拠点を結ぶアクセス道路として、清水富士宮線、井川湖御幸線、国道150号、山脇大谷線などの整備を進め、産業・経済の振興につなげていきます。また、物流上、特に要となる道路を「重要物流道路」に位置付け、さらに整備のスピードアップを図っていきます。
 一方、トンネルや橋りょうでは、点検から補修まで、計画的な維持管理により長寿命化を図り、質の高い社会資本ストックを、将来世代に確実に引き継いでいきます。
 次に、地震や風水害などの大規模な自然災害に耐えうる社会基盤の整備についてです。地震対策では、緊急輸送路などの防災ネットワークの確保に向け、梅ヶ島温泉昭和線の大河内橋架替事業を引き続き行うとともに、入江富士見線の桜橋架替事業に着手するほか、倒れた電柱が道を塞ぐ恐れをなくすため、無電柱化を推進していきます。
 津波対策では、市民の皆さんの生命財産を守るため、静岡海岸に面する駿河区高松地区の浜川(はまかわ)水門の嵩上げ工事を行います。また、用宗漁港には津波防護壁の整備を引き続き行う一方、由比漁港には、主に漁業者の   安全確保のための津波避難施設を新たに整備します。
 さらに、台風や集中豪雨に伴う浸水や土砂災害への対策にも、引き続き取り組んでいきます。清水区高橋地区や駿河区広野地区など、浸水対策 推進プランに位置付けられた地区において、雨水ポンプ場など、床上浸水を解消するための施設を計画的に整備していきます。また、急傾斜地崩壊 危険区域の指定に必要な測量や土砂災害警戒区域の指定促進、道路や公園の法面対策を実施します。
 市民の皆さんの日常生活に決して欠くことのできないライフラインである上下水道事業については、何よりもまず、安心・安全な水を安定的に供給することを最優先するという考えの下、今後もコンセッション方式を導入することなく、公営企業体として、健全経営を維持していきます。その上で渇水対策として、水の相互運用事業「北部ルート」の完成を目指すとともに、下水道の汚水管きょの整備を3区でそれぞれ進めていきます。また、アセットマネジメントの観点から、老朽化した管(かん)・施設の改築や耐震化などを計画的に実施していきます。

(分野別政策8 健康・福祉)

 次に、<健康・福祉>分野についてです。
 少子・高齢化が急速に進行する中、人生100年時代を見据え、誰もが 住み慣れた地域で、いつまでも健康で自分らしく暮らすことのできるまちの実現を目指します。
 まず、静岡型地域包括ケアシステムの構築と「健康長寿世界一の都市」の実現に向け、富士山型の山頂部分を構成する「医療・介護の連携」、山腹部分の「地域の支え合い」、そして裾野部分の「市民の健康づくり」の それぞれに資する施策を展開していきます。そこで、小圏域で在宅医療・介護の連携を進める「自宅でずっと」プロジェクトを、新たに6つの小学校区で取り組むほか、救急医療体制や医療人材の確保への支援など、地域医療体制を充実させます。
 とりわけ来年度から、認知症対策を重要視して力を入れていきます。認知症サポーターの養成や、徘徊高齢者の捜索模擬訓練のほか、判断力が低下した方に寄り添い、生活や財産を法律に基づき支援する市民後見人の養成研修や、弁護士など専門職と連携した相談会を実施し、成年後見制度の利用促進を図ります。さらに、こうした対症的な方策に加え、新たに予防的な方策として、認知症にならないための研究を進めていくことにより、認知症対策に総合的に取り組んでいきます。
 次に、身体の健康の維持についてです。まず、がんに対しては、検診の促進や、がん教育、患者支援などを推進します。また、歯は全身の健康の原点と言われています。そこで、新たに「口腔保健支援センター」を設置し、オール静岡市で歯科保健分野の強化を図ります。
 さらに、自身の健康を見える化する事業として、加齢とともに低下する傾向にある心身の状態を測る、いわゆるフレイルチェックを住民主体の 活動として拡充していきます。
 また、生涯活躍のまち静岡(CCRC)の取組のうち、駿河共生地区の富士見エリアでは、民間活力を導入して医療的ケアに対応した生活介護 事業所を整備し、この春オープンする児童発達支援センターや子育て支援 センターと共に、福祉・子育ての拠点機能を高めていきます。さらに、高齢者をはじめ、誰もが活躍できるまちを目指すため、このエリアに地域多世代交流型住宅を官民連携で整備し、健康長寿の先進的なモデル地区にしていきます。このほかにも、働くことを希望する高齢者に対して、相談窓口の設置や雇用の場の創出などに取り組みます。
 また、日常生活での移動が困難な高齢者など、交通弱者の生活の足を 確保し外出機会を増やすため、清水区駒越地区、駿河区長田西地区において、地域の皆さんの協力の下、自家用自動車で地域内を周回し最寄りの駅やバス停につなげる取組を継続し、バリアフリー社会の実現を目指していきます。

(分野別政策9 防災・消防)

 次に、<防災・消防>分野についてです。
 昨年は、地震や記録的豪雨が相次ぎ、家屋の倒壊や土砂災害、浸水など、列島各地は大きな被害に見舞われました。いつ起きてもおかしくない災害に備え、最大限の想定による万全の危機管理体制を構築していきます。
 まず、地震への対策についてです。
 昨年6月の大阪府北部を震源とする地震の際のブロック塀倒壊などの被害を踏まえ、何よりも命を守り、そして被害を最小限に抑えるため、引き続き、危険なブロック塀の撤去や木造住宅などの耐震化を進めます。
 また、地震による停電が復旧した際に起こりやすい電気火災を防ぐための感震ブレーカー設置費助成制度や、自主防災組織が購入する防災資機材への補助制度を来年度も継続するなど、自助・共助・公助による総合的な災害対応力の強化を図っていきます。このほか、既存の建物を活かした津波避難対策として、津波避難ビルを追加指定するなど、沿岸部の避難場所をさらに確保していきます。
 次に、台風や集中豪雨による浸水への対策についてです。
 昨年7月の西日本豪雨では、予想される災害を、洪水や土砂災害のハザードマップで予め確認し対策をとることの重要性がクローズアップされました。そこで、すでに配付済みの安倍川と富士川のハザードマップに加え、年度内に巴川・長尾川のハザードマップの配付を行うとともに、来年度には、丸子川、興津川、庵原・山切川(やまきりがわ)のハザードマップを順次作成・配付し、浸水被害に備えるための防災対策の啓発活動を推進していきます。
 次に、災害時の情報提供についての対策です。
 地震や台風などの災害の真っ只中にあって、刻一刻と変わっていく状況に応じて、必要な情報を一人ひとりに確実に届け、不安を取り除き、安全を確保し、安心感を高める取組を推し進めていきます。そこで、避難情報を伝える同報無線や防災メール、あるいは市のホームページなどの媒体に加え、屋内で災害情報を受信できる「緊急情報防災ラジオ」の販売を再開します。さらに、電気・ガス・水道などのライフライン事業者と連携し、災害に応じた的確な情報提供を行う体制を整えることで、防災 対策の強化に努め、災害に強いまちをつくっていきます。
 次に、消防力の強化についてです。
 新しい取組として、複雑多様化する災害に対応するため、災害現場に おける迅速かつ的確な情報収集が期待できるドローンの運用を開始します。一方、消防団員の確保策としては、女性消防団員で構成される消防団カラーガード隊の広報活動などを通じて、女性や学生を中心とした若者の入団を促進するとともに、新たに、災害現場活動に特化した機能別団員の制度導入に向けた調整を行い、地域防災力の充実強化を図っていきます。

(分野別政策10 生活・環境)

 最後は、<生活・環境>分野についてです。
 豊かな自然環境の下、多種多様な人が、性別や障がいの有無さらには 国籍の違いを認め合いながら、安心感をもって安全に暮らすことができる、そんな誰もが住み続けたいと思える持続可能なまちを目指していきます。
 まず、「南アルプスユネスコエコパーク登録5周年事業」を、3県9市町村と連携して開催します。また、南アルプス周辺の希少動植物の 保護活動や登山道の整備を、着実に行っていきます。並行して、南アルプスの玄関口となる井川地区の賑わい創出にも力を入れていきます。南アルプスユネスコエコパーク井川自然の家を拠点としたトレイルランニングコースを、井川本村まで延伸整備するとともに、井川湖の渡船を更新して新たな船上イベントを行い、来訪者の増加につなげていきます。
 南アルプス・井川エリアへの交通アクセスについては、昨年、JR東海と基本合意を交わした県道へのトンネル新設や、その前後区間の道路改良のほか、川根本町につながる市道閑蔵線の整備を進めます。これらにより、しずおか中部連携中枢都市圏の4市2町からのアクセス向上も図られることから、圏域の連携による南アルプスの地域資源の活用にもつなげていきます。
 リニア中央新幹線建設工事では、エコパークの理念である「自然と人間社会との共生」に基づき、環境保全と地域振興の両立を目指します。JR東海に対しては、工事に伴う環境への影響を最小限に抑えるよう、引き続き、環境保全対策の確実な実施と水問題の不安の払拭を求めていきます。
 次に、再生可能エネルギーの導入ならびに普及の促進についてです。
 エネルギーの地産地消事業により、小中学校80校に設置した蓄電池を活用し、環境・防災の両面から再生可能エネルギーの有効利用を進めます。また、環境に優しい水素エネルギーを活用した新たな技術開発支援などを通じて、静岡発の新技術の水平展開を図り、「SDGs未来都市」として経済・社会・環境の三側面の相乗効果を創出し、静岡型水素タウンを推進します。
 次に、多文化共生社会に向けた取組についてです。
 今後増加する外国人との共生社会をつくるため、外国人向けの情報提供や相談機能の充実など、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めます。
 また、次世代を担う若者が世界で活躍できる人材となるよう、全ての 活動を英語で行う「イングリッシュキャンプ」などを実施し、英語のコミュニケーション能力の向上を図り、異文化への理解を深めていきます。
 このほか、性の多様性への理解を深めるため、性的少数者の電話相談や交流の場を設け、LGBTの皆さんに優しい共生のまちづくりを進めていきます。

以上、当初予算案の重点事業に位置付けた「5大構想」をはじめ、 「3次総」に登載された主要事業の大要を申し上げました。

【「世界に輝く静岡」を意識した市政運営の視点】

 最後に、平成31年度の市政運営にあたり、私がとりわけ意識的に重視している視点について申し添えます。
 ポスト平成時代に向けて、いよいよ国全体が「成長・拡大」社会から「成熟・持続可能」社会への転換を求められています。背景には、かつて経験したことのない人口減少や急速に進む少子高齢化があり、加えて、 地方から首都圏への人口流出に伴う一極集中が止まらない状況があります。
 こうした中、本市は、県中部圏域まで包含して魅力ある地域資源を磨き上げ、それらを国内外に広く発信していくことで、さらなる交流人口を生み出し、「世界に輝く静岡」の実現を目指していかなければなりません。
 そのための具体的な取組の視点を2点、申し上げます。
 一つは、3年目を迎える「しずおか中部連携中枢都市圏」の深化です。
 これを構成する静岡県中部5市2町は、より一層の連携を深め、市町の区域を跨いだ広範な圏域を受け皿にして、人口活力を呼び込む施策を推進していくことが求められます。昨年から始めた5市2町イベントニュース「GO(ゴー) TO(トゥー)」の発行は、まさに、その第一歩といえるものです。
 また、昨年、本市は、国から中枢中核都市としての指定を受けました。これには、活力ある地域社会を維持するための拠点となる都市として、 近隣市町を含む圏域の経済や生活を支え、首都圏への人口流出を抑止する機能の発揮が期待されています。今後も、5市2町が相互に補完し合う ポリセントリックな連携の下、圏域全体の発展を目指していきます。
 そして、もう一つの視点は、情報発信力の強化です。
 日々提供している便利な公共サービスも、本市さらには圏域が有している魅力的な地域資源も、世間に知られていないとするならば、それは即ち、存在していないことと同じだといっても過言ではありません。
 「GO TO」を、本市単独ではなく圏域として発行しているのも、これまで知られずに埋もれていた情報を、より広い範囲に効果的に知らしめ、さらなる交流人口を呼び込むことを狙ったからに他なりません。
 今後も、市民の皆さんに、必要な情報を確実に届けることはもとより、広く全国や世界に向けて、これまで以上に様々な手段の活用、いわゆる メディアミックスにより、継続的かつ戦略的に広報を進めていきます。
 そこで、来年度、世界各国に拠点を置き、多種多様な企業が会員として集まるコミュニティ型ワークスペース「We Work」に、自治体として初めて本格的に参画します。そして、企業と連携したPRイベントや会員専用のアプリケーションを利用した情報発信を行うなど、さらにパワーアップしたシティプロモーションを多角的に展開していきます。
 このほか、昨年度から実施している東京記者発表会を一層充実させ、新たにつながったメディアを活用した情報発信にも取り組んでいきます。

【むすびに】

 私は8年間、各局・各区それぞれの部署において、市民生活の向上のため、「3次総」の推進のため、多くの職員が一生懸命に仕事に打ち込む姿に接してきました。そんな中、「市民の声」を聴く広報課広聴係のもとには、今年度も、職員の仕事ぶりに対する様々な苦情が61件も寄せられています。
 いくつか紹介すると、「職員の対応の感じが悪くて不愉快な思いをした」「窓口でわからないことを聞いた時の対応がひどかった」「たらい回しにしないでしっかり確認して案内してほしい」など、苦情全体の6割以上が市民応対に関するものでした。納税者たる市民により成り立っているのが公務員の仕事ですから、言い訳はできません。しかし、行政と民間のあいだに根源的に存在する「意識の壁」を取り除く姿勢を、行政の側からこそ示さねば、真の市民協働型行政は実現しないと考えます。
 こんな永年の私の思いの下、総務局の呼び掛けに応じた若手職員有志14名がプロジェクトチームを結成し、昨年8月からある挑戦を始めました。それが「静岡市役所市民応対向上♡おもてなしコンシェルジュ」事業です。職員はたった一人、市役所1階の入口付近に立ち、来庁者への積極的な 声掛けや手続きの相談から、必要があれば窓口への付き添いまでを行います。初年度につき、まずは実証実験として行いましたが、毎週月曜日と金曜日の午前10時から正午まで、まさに孤軍奮闘の2時間でした。
 開始からまだ数か月ですが、先般、今年度の事業報告がありました。それによると、まず来庁者からの評価は、「困っているところにタイミングよく話し掛けてくれて助かった」「総合案内もあるがコンシェルジュから声を掛けてもらうと安心する」「ホテルにいるようなコンシェルジュが 市役所にもいるなんてすごい」など、多くの高評価に手応えを感じました。
 一方、職員の感想は、「改めて自分の職務が市民のためになっている ことを実感できた」「率先して挨拶するだけでも市役所の印象が大きく 変わると思った」「市民に怒られ落ち込むこともあったが市民応対は人と人とのコミュニケーションだと感じた」など、やりがいをもって業務に 取り組んでいるばかりか、経験を重ねる毎に逞しさを増していく様子から、職員の人材育成の面でも効果が高い事業であると確信するに至りました。
 とまれ、若手職員有志による「全力おもてなし宣言」の下で芽生え始めた「自分たちこそが、市役所の市民応対のイメージを変えていくのだ」という使命感と熱意が、職員と市民のあいだの信頼関係醸成の要諦だと考えます。
「静岡市を、ひとつにする。」この信念の下、私は来年度も、市役所と市民の皆さんとの“懸け橋”となり、新しい時代の市政運営にあたる覚悟です。

議員各位をはじめ、広く市民の皆さんの一層のご理解、ご協力を重ねてお願い申し上げ、私の施政方針といたします。

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