静岡市学校評価システム推進事業について 印刷用ページ

最終更新日:
2015年3月26日

1 静岡市が進めている学校評価システム推進事業の概要

 静岡市では、平成18年度から4カ年にわたる文部科学省委託事業として「学校評価ガイドライン」に沿った学校評価システムの構築に着手した。学校評価は、平成14年、小学校設置基準(文部科学省令第14号)において定められ、平成18年の学校教育法の改正により義務づけられた。静岡市が進めた構築事業は、この学校評価の将来的なあり方を見通しながら、取組のねらい、内容、方法等を明らかにし、実践に結びつける研究を行うものであった。
 これまで、協力校、パイロット校、実践校として市内小中学校延べ52校に、学校評価システム構築事業の実践研究を行ってきた。また、併せて静岡市が設置した静岡市学校評価システム構築事業運営委員会では、アドバイザーとして静岡大学教育学部准教授 藤原文雄氏、常葉学園大学教育学部教授 天野龍生氏、猿田真嗣氏に指導・助言をいただきながら研究を進めてきた。
 平成21年4月には、市立全幼稚園、小学校、中学校、高等学校146校において学校評価ガイドラインに基づく本市学校評価システムが完全実施され、全市的なシステム浸透の推進を図っている。
 教育委員会としては、この学校評価システムの定着を学校改善の大きな柱ととらえ、教育総務課、教職員課、学校教育課、教育センターなど各課連携の下、本事業を推進している。

2 学校評価システム推進事業の内容

 学校評価システム推進事業の目的、内容、方法は次のとおり。
 (1)事業の目的
  ア 各学校が、教育活動その他の学校運営について、具体的な目標を設定し、その達成状況を整理して取組の
    適切さを検証することにより、組織的・継続的に改善する。
  イ 各学校が、自己評価及び学校関係者評価の実施とその結果の説明・公表により、保護者、地域住民から教
    育活動その他の学校運営に対する理解と参画を得て、信頼される開かれた学校づくりを進める。
  ウ 各学校の設置者等が、学校評価の結果に応じて、学校に対する支援や条件整備等の必要な措置を講じるこ
    とにより、一定水準の教育の質を保証し、その向上を図る。

 (2)内容と方法
   ア 各学校が自ら行う評価と学校運営の改善(自己評価)
  • 各協力校は、「ガイドラインに示された大項目」、「教育委員会が共通のものとして定めた中項目」に加えて、学校独自の中項目と評価指標を設定し、自己評価を行う。
  • 学校評価を継続的な改善を目指すPDCAサイクルとし、学校関係者評価を導入することで自己評価と改善の充実を図る。
   イ 学校関係者評価委員会の設置と学校関係者評価の実施
  • 学校の自己評価に、学校関係者の目をもって客観性を高めることと、地域住民、保護者の理解と協力を得て、運営の改善に資することをねらいとして、学校関係者評価をシステムに位置づける。
  • 学校関係者評価委員会は、学校の自己評価結果をもとに評価を行う。
  • 教職員と学校関係者評価委員とが、自己評価書と学校関係者評価書を基に意見交換する場をもつ。
  • 学校関係者評価委員には、学校評議員を充てることができるとする。
   ウ 評価結果の公表と教育委員会への報告
  • 自己評価書、学校関係者評価書はホームページで公開する。
  • 学校は学校関係者評価を受けて改善策を作成し、教育委員会に提出する。
   エ 教育委員会による学校支援の改善
  • 学校関係者評価委員の学習会を開催し、学校関係者評価委員を支援する。
  • 学校訪問、意見交換会の傍聴、先進地視察などを通じて学校への支援、条件整備等を可能にする支援体制について研究する。

3 これまでの実践報告の集約

 (1)自己評価に関わること
   ア 教職員の意識・実践・運営について
  • 年度当初から、評価指標を意識した実践を積み重ねることができた。
  • 前年度の改善点を確実に実践できるように意識し、進捗状況を前期に示した。
  • 「目標設定(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)」のサイクルの重要性を感じた。
  • 「評価」で学校関係者評価委員の力を借りるということを、教職員が理解して学校評価を行うように意識統一をするよう配慮した。
  • 目的、目標、やるべきことが明確になり学校が活性化される。
  • 「元気の出る学校関係者評価」にするために、学年部を中心に「語り合い」を普段から行い、評価がフィードバックできるようPDCAサイクルを意識して活動計画を組んだ。
  • 学校関係者評価を通して本校の良さや課題、特徴などをさらに明確にすることができ、自己評価、学校関係者評価を前向きにとらえることができるようになった。
  • 学校関係者評価委員の方に授業や子どもの姿を見ていただけるのは、緊張はしたが研修の一環として受け止めた。
  • 学校関係者評価があることが刺激となり、惰性でやるのではなく、もう一度活動の意義や目的を見直すようになった。
  • 学校関係者評価委員の評価を聞き、保護者との連携が大切であることをより痛感した。
  • 最も大切なことは、生徒に対する指導(教育活動の実践)を充実させることであるため、評価のための評価に陥らないように、関係会議を精選し、事務量を軽減することを心がけた。
  • 一部の職員で運営するのではなく、全職員で行えるよう、全体会議を大切にした。
  • 集約、グラフ化等の処理はパソコンを用いてできる限り合理化した。
   イ 目標・評価指標・評価計画の立案について
  • 評価指標をもっと精選し、わかりやすくする必要がある
  • 評価の各項目について、教員としての「評価の観点」や「期待する姿」を示し、学校関係者評価委員にも評価がしやすくなるように努めた。
  • 評価指標は、教職員の取組と、子どもの表れをセットにした。
  • 評価指標と経営計画書との整合を図る必要がある。
  • 市の評価項目と自校の教育構想とを合致させるのに工夫がいる。また、校務分掌と、評価項目の分類の違いが経営と結びつけるのが困難だった。
  • 達成基準にばらつきがあるので、各教師の評価に差がある。
   ウ 計画について
  • 評価計画を早めに提示し、見通しをもって評価活動に取り組む。
  • 学校関係者評価委員会と校内の委員会がそれぞれ独立せず、連動して動くように年間計画の配置を考えた。

 (2)学校関係者評価に関わること
   ア 学校関係者評価委員の存在、役割、関係の構築について
  • 温かく学校を見守って、支えてくださる様子がよくわかる評価をいただいた。
  • 1年目より2年目は、評価員と顔見知りになり、授業をより理解していただいた。
  • 学校関係者評価委員が学校を批判するのではなく、教職員と一体となって子ども達を育てるために知恵を出し合うという認識で学校評価に取り組んでもらうよう委員にお願いした。
  • 保護者や学校関係者評価委員の方に対して学校が誠実に答えるように努めた。
  • 事前にどのような授業や活動を参観したいのかを聞き、計画的に参観してもらった。
  • 授業参観後に話し合いの場を設定し、ご意見をいただいた。
   イ 目標や指標、評価の説明について
  • 学校関係者評価委員に提示する資料は、そのためだけに作成するものでなく、定期的に行っているアンケートも活用するようにした。
  • 学校関係者評価委員にも日頃の学校の様子がわかるように、文章や言葉だけでなく、授業や行事の際の写真を用意し、児童・生徒の様子を理解してもらうようにした。
  • 事前に評価の年間計画を紹介し計画的に進めた。
   ウ 学校関係者評価委員の声
  • 評価委員会のたびに先生方との意見交換会を行うことで、コミュニケーションが深まり、教師の仕事のやりがいや難しさといった内面まで知ることができた。
  • 教員の自己評価は厳しすぎるように感じる。もっと高い評価をしてもよいのではないか。
  • 様々な教育活動の参観を通して、教師の仕事が多岐に渡っていることがよく分かった。1時間の授業の準備にも力が注がれていることがよく分かった。
  • 校長がリーダーシップをとり、学校経営の計画を立て、各教員が教育の質の向上のために努力している姿が見られ、改善していく姿勢が感じられた。
  • 学校は教職員の自己実現の場でもあり、地域のためになる場所でもならなければならない。
  • 自分たちの言ったことが学校運営に反映され、やってよかったという充実感を感じた。
  • 評価結果を先生たちだけが背負うのではなく、保護者にも伝え協力してもらうべき。
  • 連合町内会、PTA、学校を連動させていきたい。学校を中心に地域を発展させたい。地域の人々にも学校評価、学校関係者評価のことを伝えたい。
  • 学校関係者評価委員として責任を重く感じる。
  • 学校生活の中で、どのような場面で評価するのかを具体的に示してほしい。
  • すべての項目を評価するのは無理なので、この評価では学校のこの場面を見てほしいという具体がほしい。
  • 組織運営や研修等、委員には評価しにくい項目があった。教育関係者にお願いできないか。
  • 年間4回の話し合いにより、校内研修に工夫があることがよくわかった。
  • 評価が先生方の多忙化に拍車をかけるだけの存在にならないよう、本当の意味で役に立つ評価になるための改善をお願いしたい。

4 これまでの成果と課題

 (1)成果
   ア 評価システムの手法の基本をふまえ、自己評価、学校関係者評価を経営の改善に役立てることができた
  • 重点目標を柱に評価項目・指標(内容)を精選することで、学校の特徴やよさを学校経営に反映させることができた。
  • 10月の中間評価や、意見交換会を節目ごとに行うことで、単年度内での学校評価を充実させ、学校経営に活かすことができた。
  • 教職員が、自分自身の取組も含め、気楽に振り返る姿が見られた。
  • コミュニケーションの場の意図的な設定や、「語り合い」の日常化により、PDCAサイクルの意識化が進み、継続的に評価、改善を行えるようになった。
  • 会の持ち方、内容を、学校が実情にあわせて実施することで、様々な工夫が生まれた。
  • 「評価シート」が「方針シート」に発展し、次年度の学校経営のイメージがもてる学校評価ができた。
   イ 教職員の学校改善に対する意識改革が進んだ
  • 職員に、地域や保護者の声に耳を傾けようという姿勢が生まれた。
  • 各評価項目に対する教職員の実践化に向けた意識、手立てがはっきりしたことで、学校内の意思統一ができた。
  • 学校関係者評価をすることにより、経営の活力となる学校評価を作ることができた。
  • 学校全体を視野に入れながら、客観的に自己評価できるようになってきている。
  • 職員の意識が、学校教育は、教職員だけで取り組むものではなく、学校の外からの意見や要望にも耳を傾けながら、地域と協力しながら学校を創るという価値観にかわった。
  • 情報公開の必要性を認識できた。また、教職員の学校経営参画への意識が浸透した。
   ウ 子どもの取組として成果が見られるようになった
  • 子どもの自主的・主体的な取組が多く見られるようになった。これは教師が、「ここでは子どものこの部分を伸ばしたい」という明確な目標を設定し、子どもの出番を多くなるような工夫を加えていることによる。
  • 挨拶に重点を置いたことで、取組が活発になり、学校関係者評価委員から見て明らかに子どもの挨拶がよくなったという意見が出された。
  • 短期的に成果が見えるものと、長期的に見なければ見えないものとがあるのではないか。
   エ 学校参観や意見交換会を通し、教職員と学校関係者評価委員とのコミュニケーションが活性化した
  • 評価委員と、少人数グループや、分掌ごとの分科会に分かれ、話し合いが深まった。
  • 学校は確実によくなっていると言われ非常にうれしく思った。
  • 学校で何をやっているのかを、アピールできる場となっている。具体的に学校がどんなことをしているのか伝えていく事の必要性を強く感じる。
  • 学校の要請に応えて、評価委員が地域で働きかけを行い、その様子を学校に返す場面が、意見交換会の中で見られた。評価委員にとって意見交換会は好評であり、「当事者」意識をもって関わってくれている。
   オ 教職員にとっての学校関係者評価委員の存在意義が確認された
  • 評価の客観性を高めることができた。また、評価委員から、単なる評価だけでなく、具体的な提言も示していただき有り難かった。
  • 評価委員には、常に温かく、建設的に学校を見ていただき、地域の代表者からエールを頂いていると感じた。努力を高く評価していただき、今後への自信を深めることができた。
  • 教員とは違う視点からの意見や感想はたいへん参考になる。
  • 社会や、将来の地域の姿と結びつけて学校の活動を丁寧に価値づけてくれる。
  • 今までは職員会等に外部の方を参加させることはあり得ないと思っていたが、これなら年に数回開催してもいいと思う。

 (2)課題
   ア 学校評価システムを有効に機能させるためには、校長のリーダーシップのもと、全教職員による取組、運営上の工夫が
    不可欠である
  • 学校評価関係会議の精選と事務量の軽減など、継続的に取り組める方法が必要。
  • 地域の人に、どのようなことを、どのように伝えるのかを考えなければいけない。
  • 学校評価を全職員の手で取り組む体制を強化していきたい。
  • 1年間の学校評価計画が確立されたが、日常のPDCAをさらに機能させたい。
  • アンケートの集計、資料作成等については、分担、委託、簡略化などが考えられる。
   イ 評価委員会に役割をどこまで求めるのかがまだまだ見えにくい面がある
  • 評価委員に過度な負担をかけたくない。
  • 評価が不可能な項目は、無理に評価しないようにしたい。
  • 評価書において、この項目は学校のこの部分を見ればわかるというものをしっかりと学校関係者評価委員に説明する必要がある。
   ウ 評価指標の設定、評価基準をどのようにするかなどは、実践的に確立していく必要がある
  • 評価指標は、学校経営の重点などを考慮しながら毎年見直しをしていく必要がある。
  • 評価しやすさ、次年度の取組の改善につながる焦点を絞った評価指標づくりが必要。
  • 幼稚園、小学校、中学校のそれぞれの指導を意識した指標が必要。
  • 教員によって基準にばらつきがある。基準を明確にし、共通理解をしておく必要がある。
  • 評価指標の作成や分析など、できるだけ多くの職員が関われるよう役割を工夫したい。
   エ 発信の仕方については、内容や方法に一層の工夫が必要である
  • 学校の思いが、保護者に伝わっていない部分があると感じた。
  • 学校評価システムそのものを、保護者や地域へ啓発していく必要がある。
  • 学校だよりやインターネットのHPで学校の様子を公開するのはもちろん、授業参観や行事に地域の方が一人でも多く参加してくれるような三者連携への工夫が必要。
  • 外部の方にとっては学校の様子がやはり伝わりにくかった。学校側も様々な機会に学校公開し、情報を出しているがまだまだであると感じた。
  • 教職員が抱える生徒指導上の悩みは伝えにくい。しかも、なかなか伝わらない面もある。
   オ 学校評価システムの導入が、子どもにとってよりよく作用しているかが問われる
  • 学力がついているかどうかは、大きな関心事であるので、客観的な資料に基づいた分析がどうしても必要である。各教科で研修的側面も兼ねて確実に示すことが必要。
  • 学校経営の重点を振り返る時、いろいろな観点から教職員が取り組んでいることは説明できても、その取組から子どもがどのように成長したかを具体で示せていない説明の不十分さがある。重点をもっとしぼることで、教育活動の充実を図る必要がある。
  • 生徒の目標への意識や、生徒会について考え方等、評価委員として生徒との対話を進めていく必要がある。

5 各リンク

 (1)評価書の見方 評価書の見方はこちらをご参照ください(PDF形式) 
 (2)各市立学校(園)ホームページへのリンク 
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