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更新日:2024年2月15日

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静岡挽物

起こり

挽物(ひきもの)とは、轆轤(ろくろ)を使って木を加工した製品をいいます。
静岡挽物は、元治元年(1864年)、銘木商人の酒井米吉が技術を伝えたことが始まりです。米吉は、箱根の挽物職人から技術を学び、葵区七間町あたりで工房を開業したと伝わっています。この工房で、多くの技術者を養成するとともに、静岡挽物を発展させました。

線香入

産業としての発展

米吉が静岡挽物を始めた頃、轆轤は足踏式でした。
明治30年(1897年)頃になると、動力に蒸気機関が使用されはじめます。
明治41年(1908年)頃には、木工挽物旋盤機を導入し、機械化、能率化が進みました。
大正3年(1914年)になると、動力は電気モーターに変わり、近代化が大きく進むと同時に、機具・器材等も改良され、挽物技術は格段に発達しました。

静岡挽物の詳しい歴史について(PDF:74KB)

轆轤による加工

海外輸出

第二次世界大戦後、ジョッキ、コースター、胡椒ひき、コーヒーミルなどの挽物がアメリカで好評を博し、輸出されました。昭和40年代には、機械の自動化によって、静岡の挽物生産高は日本一となり、製品の約8割を輸出するほどでした。
しかし、オイルショック以降は、国内に販路を定めて、少量生産による多種多様な製作を行っています。

胡椒ひき/コーヒーミル

特徴

挽物の特徴は、汎用性の高い技術です。木の皿、コップ、盆、スプーン、玩具、家具、調度品、文房具、仏具、健康グッツなど、丸みのある木製品のほとんどに、挽物の技術が使われています。自由なデザインが可能で、職人の創意工夫次第で、あらゆる形状を作り出すことができます。
また、滑らかな曲線、美しい木目が、木独特の柔らかい温かみを醸し出しており、思わず触れてみたくなる質感が人気です。

玩具

半製品の製造

静岡挽物は、雛人形・雛具の木地部分、家具の脚やつまみ、建築用の部材など、様々な産業に部品(半製品)を出荷しています。職人が手挽きするものから、機械で大量生産するものまで、各業界の要望に応じて、多様な対応をしてきました。
静岡挽物はまさに、ものづくりの街静岡を支える縁の下の力持ちです。

工房の様子

現在の静岡挽物

現在、静岡挽物は、静岡県郷土工芸品(外部サイトへリンク)に指定されています。最近では、デザイナーとのコラボレーションによって、モダンで前衛的な作品も開発され、多くの展示会で注目されています。
また、職人の数は、昭和40年代をピークに減少し、今では数えるほどになってしまいましたが、伝統技術を後世に残すため後継者育成に力を入れており、熱意ある若手職人が活躍する業界でもあります。

デザイナーとコラボした花瓶

静岡の名工

静岡市では、伝統工芸の職人として優秀な技術を有し、産業の発展と技術の継承に顕著な功績を持つ方を、「静岡市伝統工芸技術秀士」として指定しています。静岡挽物の職人で指定を受けているのは、以下の1名です。

岸本 政男

岸本政男 氏 作:静岡挽物欅拭漆盛器

静岡挽物を購入したい方へ

駿府楽市

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お問い合わせ

経済局商工部産業振興課地場産業係

駿河区曲金3-1-10

電話番号:054-281-2100

ファックス番号:054-284-3987

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